愛の座敷牢

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ラバーバンドを売るのをやめろ

 

 頼む

 

 あんなよく分からんわっかに俺様のかわいい給料を費やすわけにはいかない

 

 

 

 

 ロックバンドの厳しい財政状況には大いに同情するのだが、それはそれとしてロックバンドの物販での買いたいと思わせるようなグッズの少なさには毎回辟易するばかりである。

 ライブの物販に並ぶたびに何を買うか迷いに迷った挙句、ユニクロだったら半額以下で変えそうな、バカたけえシャツばかりを毎回買っている。ちなみにこないだは珍しくパーカーを買ったのだが、その値段なんと4500円。吉野家に行ったら牛丼10杯に豚汁まで付けることが出来る。牛丼10杯と豚汁……と着用のたびに呟く持ち主に袖を通されるパーカーの物悲しさと言ったら察するに余りある。

 よくバンドは金にならないだの、売れないだの、バンドマンは生活が苦しいだのと言った言葉をインターネット上で見かけるが、これは別に演者側だけでなく観客側も同じである。文筆業でもそうだが、提供する側の厳しさにばかりフォーカスがあたって、見る側である我々のお財布事情は基本的に蔑ろにされている気がしてならない。

 Twitterのタイムラインを眺めていると「もっと金を払わせろ」やら「推しへの投資は(おおよそ理解できない理屈)だから実質無料」やら、万札で尻を拭いている富豪か、もしくは「推し」とやらに脳みそを木端微塵に破壊された悲しきモンスターの呟きばかりが目に入るが、世の中の大多数は昨今の物価高と実質賃金の低下の煽りを受ける、ある程度の理性を有したかよわき小市民である。そうだと思いたい。そうであってほしい。そうだよな? 頼むよ

 

 だからその、法外な値段のグッズを買うなら買うで、もっと実になるもの、実用的なものが欲しいと思ってやまないまま、かれこれ10年近くが経過しているのだが、未だにバンドの物販には高いTシャツと中途半端な大きさのタオルと、邪魔にはならないが大して役にも立たないキーホルダーやラバーバンド類と、結局貼る機会を失くしてタンスの裏とかに落ちて忘れ去られる悲しき運命を背負ったステッカーなどしか売っていない。変わり種としてメモ帳とかもたまにある。だからなんなんだ 物販に対する文句でもメモしろと?

 好きなロックバンドをグッズを買うことでもっと応援したい、と思う気持ちはあれど、バンドへの好意的なフィルターが掛かった目で見ても、値段を見た時に、ファーストインプレッションとして購買欲より先に躊躇が来るグッズばかりが並ぶ現状はどうにももやもやしてならない。クレーンゲームの景品がいくら取れそうな位置にあったとして、仮にそれが取れたところでどうするかを考え、結局手を出さないことと同じである。デカいぬいぐるみとか興味ないキャラのフィギュアとか

 

 

 これを見てもらいたい。これは僕が数分で作った、定番のバンドグッズへの「許せる・許せない」を示した表である。

 ここでいう「定番」は別に何らかの定義が有るわけではなく、単に僕がライブハウスの物販を見て「よく売ってる」と思うものであるため、そこは了承いただきたい。もしかしたら僕が想像だにしないものを定番商品として売っているバンドが存在する可能性は全然否定できないので。

 表を見て分かる通りだいたい許せない。バンドグッズに文句があり過ぎる。ちなみにここで言っておくが、この記事において「嫌なら買うな」というカスみたいな意見はすべて無視する。わたくしだって好きなバンドのグッズは欲しいのに、バンド側が欲しいものを出してくれない現状に文句があるのだ

 とりあえず、許せないグッズひとつひとつに文句を言っていこうと思う。

 

 

 ラバーバンド

 許せないグッズ筆頭株。「とりあえず定番だからラバーバンドでも出す」ところから始めるそこのバンドマン、およびスタッフ正座 なるべくごつごつした地面で、正座

 高い、すぐ無くす、普段使い出来ない、それ以外の場面で活躍できないの四重苦を背負った曰く付きの定番商品である。僕が思いつかないだけであと36個くらい欠点がある。四十苦。シンプルにいらん。資源の無駄遣いだから今すぐにやめろ。お前らのその「とりあえず」が母なる地球を苦しめている現状に気付け

 多分安くて大量に作れるとかそういう理由で定番化しているのだろうが、あんなライブ以外の何にも役に立たない、というかライブでも大して役に立たない、多少の耐水性が有るだけの腕輪に割く金があれば、普通の感性をしていればその金で飯でも食っているだろう。顧客をバカにするのも大概にしなさい。

 これを大量に買うのは決まって自分の持っている鞄、もしくは自室の壁かけラックみたいなやつをデコレートすることに心血を注ぐ変態か、輪投げ屋に輪投げを卸売りする業者のどちらかである。おおよそ普通の人間ではない。こんな奴らに割く予算があるならもっと実用的なものを作れ

 

 

 リストバンド

 上のラバーバンドと大体同じだが、オシャレだと思えばオシャレで付けることもあるのだろう、ということで許せない度は若干ラバーバンドよりは低い。洗濯も出来るし。要るかって言われると本当に要らないけど。

 僕自身が「腕に何かを付ける」ということが苦手なので余計に毛嫌いしているのは否めないが、それを差し引いたとしても買う気はなかなか起きない。ラバーバンドと比べても値段がだいぶ高くなりがちなのも結構しんどいポイントである。

 リストバンドだけいらすとやにイラストがなかった

 

 

 ステッカー

 貼らない。例えば僕が缶ペンケースを使っている学生の身分だったら嬉々として貼ったのだろうが、そういうのはもう卒業してしまったし、そもそも学生のころに缶ペンケースを使ったことが無い。あとは自分のPCやswitchなんかに貼るのも何となく気が引ける。

 何かのグッズを買ったら付いてくるとか、CDを購入したら追加で貰えるとか、そういうのはまだ良いと思う。良いと思うが結局使い道は無い。僕は本を買った時などにたまにもらえるポストカードやリーフレットなどの特典をなかなか捨てられない質なので、そういうのをクリアブックでひとまとめにしているのだが、CDを買った時になどにおまけで貰ったバンドのステッカー類も同じでやむなくそこにため込んでいる。すすんで買うこともまず無いが、貰ったら貰ったで捨てるに捨てられない。厄介な存在である。

 

 

 缶バッジ

 付けない。

 

 

 キーホルダー類

 ラバーホルダー、アクリルキーホルダー、キーチャームなど、とにかく何かにぶら下げる系のグッズ全般を指す。

 前は肯定派で、好きなアニメキャラのラバーストラップのガチャガチャにそれなりのお金を費やしたりとかもしていたのだが、結構頻繁に外れたり、わりとすぐにぼろぼろになったりすることも多いことが分かって否定派に変わった。所詮は針金以下の細さしかない金具かヒモなので、何かの拍子に外れてしまって気が付いたらどこかに落としていることが度々ある。

 自分が今使っているベッドのフレームがわりと細いものなので、そこに引っ掛ける形で飾ることは出来るものの、出来るだけである。一番くじを引いた際に狙っていた景品が出ずにもらえた実質参加賞のラバーストラップが、ベッドのフレームのスペースを埋め尽くしつつある。

 

 

 タオル

 悪くは無いが大きさが半端過ぎて実用性が無いことが多い。以前はちょくちょく買っていたが、買ったはいいが結局開封しない、なんてことが多々あって買うのを止めてしまった。運動する人とかはいいかもしれない。僕は運動しないのでいらない。

 多分あれは最前列の人が柵に掛けたり、首から下げたり写真を撮る際に掲げたりして、ステージ側やインターネットに自身の存在を誇示したりするための物体なのだろう。顕示欲タオル

 たまに曲中でタオルを振り回すことを強いて来るバンドもいるにはいるが、まあその時はタオルを振り回すふりで誤魔化すか、漢の仁王立ちでやり切るしかない。そもそもこれを振り回すことを煽る様なバンドのライブに行くことが無い。

 

 

 トートバッグ

 小泉進次郎とかいうおもしろ政治家による愚策の効果もあって、今日のこの国での実用性は◎だが、毎回ツアーでデザインを変えて出しなおされても別にそんなに沢山は要らない。トムとジェリー一番くじで引き当てた大きめのトートバッグをずっと使ってる俺が言うから間違いない。

 

 

 

 

 という感じで、結局いつも消去法で無難なTシャツを買うことに落ち着いているのだが、見ての通り、わたくしはなにより実用性を重視しているが故に、既存の定番グッズとの相性が極めて悪い。やはり物は買う以上何らかの形で使用することが愛であると、そう唱えたい。

 じゃあお前はどんなものを出せば満足するんだ、と問うたそこの貴方のために、僕が作って欲しいバンドグッズ案を下記に並べた。もうこれさえ出してくれれば買うよ、俺が買うよ、ああ買うともさ、のオンパレードである。億が一このブログを見ているバンドグッズ開発担当の方がいらっしゃったら是非参考にしていただきたい。参考にして頂いた際は、僭越ですが「愛の座敷牢というブログを読んでひらめいたのだが……」の一文からグッズの宣伝を開始して頂ければ幸いです。何卒

 

 

 

 ブックカバー

 ザ・筆頭株。これよ。メモ帳よりこっちよ。時代は。

 布製でもハードタイプのものでもグッドだが、個人的には書店チェーンで本を購入した際に無料で貰えるタイプの、自分で折って使う紙製のものが欲しい。文庫本は出版社によって若干縦のサイズが異なるので、サイズを統一されると微妙に入らなかったりするのだ。特にハヤカワとか露骨に背が高い。

 数年前、角川か小学館あたりがコミックフェアか何かで、コミック購入者に自分で折って使うタイプの紙製ブックカバーを特典として付けていたキャンペーンが有ったのだが、僕はそれがめちゃくちゃ好きだった思い出がある。僕以外にはあんまり人気が無かったのか、うちの近所の書店では最終的に「ご自由にお持ちください」の箱に無造作に置かれていたので、漫画を数冊購入するついてに大量に持ち帰った。今でも余っている。

 歌詞の文学性を売りにしているバンドはそこそこの数いるわりに、ブックカバーを出してくれるバンドはマジで少ない。というか見たことない。歌詞に薫る文学性を売りにするならブックカバーを出せ。というかブックカバーを出してから歌詞の文学性を売りにしろ。順序が逆

 言ってしまえば、メモ帳が大量に準備できるならブックカバーもいけるだろう、という浅はかな思考なのだが、比較的本を読む時間の多い身分としては、ブックカバーほど大量にあって困らないものも無いのだ。ライブツアーごとにデザインも変えてくれたらそれだけでライブの楽しみが増える。出来れば四六判も欲しいが、A6判だけでも十分にありがたい。

 あと欲を言うならブックカバーの袖の部分は白系の色にしてくれると助かる。読んでいる本に知らない熟語が出てきたときに、袖にメモする癖が有るので。丸善の白いブックカバーとかメモしやすくて好き。

 

 

 クッション・座布団類

 最近ヨルシカがグッズとして出していたが(受注生産とはいえ)マジでグッズの模範解答過ぎて震えた。実用性が有って可愛くて何個あっても特に困らない。しかもわりと安いし。ナブナは俺たちのことをよくわかり過ぎている。ナブナが考えたかどうかは知らない

 小さいころから、どうして田舎の家はどこも座布団がうず高く積み上げられているのだろう、もしかして自分が知らないだけで、座布団がたくさんあるほど偉いみたいな、そういう風習のがあるのか? と思っていたが、あれはきっと通なバンドのグッズだったのだろう。そう考えれば遊びにきたちびっ子の大きめのフリスビーと化していたあの存在にも納得がいく。

 それは冗談としても、クッションや座布団は本当に盲点だった。革命的とも言える。うわさによれば某箱庭バンドは「しょくぱんくん」とかいう、キモカワイイという極めて微妙な名声を得ただけの、サイコに片足突っ込んだ食物への冒涜のようなキャラクターのぬいぐるみを出して小遣い稼ぎをしているらしいが、もう本当にヨルシカの爪の垢を煎じて、いやもう煎じなくていい。そのまま丸呑みしてほしい。ここからインスピレーションを受ける形でも何でもいいので、大人しくしょくぱんくん座布団~人気のアイツを尻に敷け~とか出してほしい。ケツで踏んだらものすっごいブサイクになる感じで

 難点としてはまあ、ライブ前に座布団を買う! みたいな気持ちになるかと言われれば微妙なことくらいか。あと、ライブハウスでのライブで開演前に買ったとして、もしロッカーが開いてなかったりしたら座布団抱えながらライブを見ることになるのは割ときつい気もする。逆にホールツアーとかだったらそのまま座れて良いかもしれない。

 

 

 カトラリー・調理器具類

 ずっと前に「ぐでたま」という、やる気というものを一切感じられない黄色いキャラクターの一番くじが行われていたことがあった。当時そのキャラクターに何となく親近感を覚えていたわたくしは、あぶれた小銭の捨て場に困ったこともあって一度だけくじを引いた。結果、直立するタイプの黄色いしゃもじを貰ったのだが、7年近く経った今でもそのしゃもじを使ってご飯をよそっている。直立するしゃもじというのが想像以上に便利なのだ。しかし考えるとほんとうに一番くじばっかり引いてるな 一番くじの回し者か?

 人間が基本的に毎日食事をする生物である以上、実用性という一点だけに絞ればこれほどつよいグッズ群もそうはないだろう。

 鍋、フライパン、木べら、フライ返し、計量カップ、お玉などなど、調理器具というものは基本的に相当長持ちする。というかぶっちゃけ買い替えるタイミングが分からない。計量カップのメモリが消えかかった時くらいか。

 このグッズは毎日のお食事を好きなバンドと楽しめる、というポイントももちろんあるが、真の強みは無理なく同居人やお客様に布教が出来ることだろう。オシャレでかわいい鍋やフライパンを見てカワイイと瞳を輝かせ、いったいこのシャレオツなキッチン用品はどこのブランドのものなのか、と問うてくる客人を前に、無言でテレビを指さすあなた。そこには、超かっこいいライブパフォーマンスをするロックバンドの姿が!  客人はグッズとその音楽のギャップに惚れること間違いなし

 難点は毎回同じキッチン用品を出されると困ることくらいか。おたまや菜箸くらいならまだいいが、ツアーのたびに新しいフライパンが出るとだいぶキツイ。料理屋でもないのに、家に両手足の指で数えきれないほどのフライパンがある人間は間違いなく変態である。

 

 

 爪切り

 前にTHE KEBABSが出していたことでも有名な爪切り。発表された時はわりとマジで感動した。

 ネイルに命を懸けているおなごはいいとして、男はどれだけ爪が短いかで、その身体に秘めたモテ度を測定することが出来るとされる。モテの第一歩が爪を切ることであり、故に爪切りは確実なモテへと近づくためのキーアイテムと言える。出来る男は爪が、短い。僕がそうだから間違いない。

 真面目な話「家にあるものの中でよくその姿を見失うものランキング」みたいなものを作ったとして、1位がリモコン、2位が耳かきだとしても、3位くらいに爪切りが来ないだろうか。あの欲しいタイミングでバニシングする驚異的なステルス性能、爪が伸びた瞬間に部屋のどこかに身を隠す能力を有しているとしか思えない。

 この爪切り抹消問題を防ぐためには、単純だが爪切りを大量に用意するしかない。どこの引き出しを開けても爪切りを一つ仕込んでおくことで、我々は安定したモテ度を手に入れることが出来る。そう、前に紹介した調理器具類とは異なり、複数個買うことに明確な意味が有るのだ

 戸棚にもクローゼットにも洗面台の下にも靴箱にもキッチン横の収納にも、至る所に仕込まれた爪切りの数々。あっちにも爪切りこっちにも爪切り、爪、爪、爪to many女 傷 ロックバンドが爪切りをグッズとして出す事で救われる爪切り難民がいる。美しいですね この世は助け合いこそすべて というわけでご検討のほど宜しくお願いいたします。

 難点としてはまあ、THE KEBABSの例しかないから何とも言えないけど、高いことじゃないかな 僕はどうにも値段がネックで買わなかったので あと別に爪切ったってモテない

 

 

 靴下

 前にTHE KEBABSが出していたことでも有名な靴下。発表された時はわりとマジで感動した。

 まあこれもよく失くすので大量に欲しいのだ。本当によく失くす。洗濯のたびに失くす。それに気付かず左右別の靴下を履いて、家に帰るまで気付かないこともある。かばんうりのガラゴか?

 そしてまたタチの悪いことに新品を失くすのだ。「あ~これ穴空いちゃったな、捨てるか」ってやつはなぜかずっと残ってる。失くさない。我ながら本当に自分が憎い。こないだついに嫌になって、同じ靴下を大量に購入した。片方失くしても他で補う戦法である。

 なぜ靴下を失くすかと言えば、それはもう、大して愛着がないからである。身に付けるものの中でも一番といっていいほどに消耗品だろう。心のどこかでなくなっても別にどうでもいいと思っているが故に、同じ過ちを繰り返すのだ。まあ同じ財布をこれまでに10回以上落としたわたくしがこんなこと書いても何の説得力もないが

 だからこそのグッズである。愛するバンドのグッズであればそれはもう大事に使うだろう。足を入れるときも足の甲から踵までを塩水で入念に清め、神聖な布で丹念に水分をふき取り、二礼二拍手一礼のちに北東の方に向けて感謝の念を述べながら片足ずつゆっくりと履くに違いない。洗濯をする際も、紛失していないことを指差しで確認した後に、たらいと洗濯板で丁寧に手洗いするであろう。バンドの出した靴下を通して、僕らはものの大切さ、ものを大事に扱うことの大切さを知るのだ。道徳……

 

 難点という難点も無いが、強いて言うなら僕は昔買ったユニゾンのリストバンドはもうとっくに失くした。もうお前は買うな、何も

 

 

 スリッポン

 前にTHE KEBABSがサンダルを出していたが、似たような発想である。ケバブズもしかしてグッズのセンスがめちゃくちゃ良い?

 スリッポンというのは、要は靴紐とか金具が付いていないスニーカーのことである。足を滑らせるように履けることからこの名がついているらしく、その言葉通り履く際に一切のストレスを感じない。紐を結んだり金具で留めたり、ああいうのが一切ないのだ。僕はもうかれこれ10年近くこればかり履いている気がする。欠点という欠点が歩き続けると踵が痛くなることくらいしかない。

 僕はあまり好んで色んな靴を買うことがないので、一度買ったものを履き潰すギリギリまで履いてから買い替える習性が有るのだが、それでもスリッポンはいつでも何足か揃えているし、気分によって履き替えている。それがグッズになってくれれば嬉しいだろうということで挙げさせてもらった。

 難点はまあ間違いなく高いことだろう。僕がいつも買っているものが大体5000円くらいなことを考えても、その数倍は間違いなくかかるだろうから、おおよそグッズにかけるお金とは思えないほどの額が飛んでいくことは容易く想像できる。よほど欲しいデザインだったら買うだろうが、それでも相当ハードルは高い。

 

 

 

 

 というわけでいくつかグッズ案を出してみたが、まあ……

 どれも実用性はある程度高くとも、実現性となると厳しそうなものばかりになってしまった。

 

 バンドのグッズがどういう企画を経てどのような工程の末に製作されるかの根本を知らないので詳しいことは言えないものの、一つのグッズを作るのに想像以上に多くの労力が掛かっている事実が間違いなくあって、そこから儲けを出そうとするとそれなりに攻めた価格設定になってしまうのは仕方がない。とはいえあまりに高いと今度はファンが買えなくなってしまう。

 売りたいグッズと、実際に出せるグッズと、ファンの需要の最大公約数を求めた結果がきっと、ラバーバンドやキーホルダーのようなグッズなのだろう。安価で大量に作れる上にデザインのバリエーションも比較的容易に増やすことが出来て、ファンが大量に集めてもそれほど邪魔にならない。考えれば考えるほど素晴らしいグッズである。酷評していたアホの顔を拝んでみたいものだ

 結局、バンドのグッズに実用性やコスパを求めること自体がある意味ではナンセンスである。どうしても実用性とコスパが恋しいのであればダイソーにでも行った方がいい。ラバーバンドはお布施に対するささやかな返礼品である。実用性とか、そういうのは根本から度外視しているものだと割り切ることも大事なのだろう。ラバーバンド最高! みんなラバーバンド買え!

 

 

 

 

 

 

 まあそれはそれとして好きなバンドのデザインのブックカバーが欲しい。ラバーバンドは要らん