愛の座敷牢

無料で読める文章

カバーソングと言えば 他

 ビンゴ記事である。前回はこちら。

 

 ビンゴ記事を2022年中に全部埋める、と宣言してもう15か月が経過しましたが、どういうお気持ちでしょうか? はい、聡明なる皆さんはもうお察しのことかと思いますが、わたくしがこのビンゴを終えるまでは2022年は終わらないし2023年は始まりません。 2022年17月、皆さんいかがお過ごしでしょうか

 

 こないだの領域展開の記事で久々にビンゴカードを見直して、改めてびっくりしたんだけどなんかまだ半分も消化してないらしい。体感で勝手にあと8個くらいかと思ってたら何かまだ15個くらいある。おかしい。お題って放置してたら勝手に子を為すのか? 去勢しろ去勢

 とはいえ嘆いていても仕方がないので粛々と書くしかない。とはいえ最近のビンゴ記事はなんかボリュームが膨大になってきた気もするので、ここらで少し舵取りを変える意味合いも込めて、ちょっと短めの回答を詰め合わせた。

 もう最近は長い記事とか流行らないんですよ。YouTube shortとtiktokで義務教育を履修するZ世代の向こう側のティーンズにモテるためには、端的に、スマートに、簡潔に、それでいてエキサイティングな記事を書かねばならない。映画やアニメを倍速で見て、文学作品を「コスパが悪い」と忌避するのはもう、今の時代では自然なこと 世にあふるる娯楽を高速で消費する俺もまた、娯楽として高速で消費されている

 というわけでちゃっちゃか片していきますぞ~以下本文

 

 

 

【カバーソングと言えば】

 

 というわけで一つ目のお題は「カバーソングといえば」

 

 拙者カバーソングというのに大変疎いんですけど、あれですか、ミスチルの桜井さんがbank bandsyrup16gのRebornをカバーしたやつの話しとかすればいいんですかね。でもあれは桜井和寿のような覇道を行く人間が歌う歌ではない。まだ西成でホームレスがカップ酒を傍に置きながらただのコード弾きで歌う方が、映える。

 あの奇想天外なお題ズの中では比較的まともな(失礼)お題だと認識してはいたものの、それはそれとして解答にはめっちゃ困る。基本的に本家本元大好きマンなので、カバーソングというものにきわめて疎い。世の中にはカバーソングの名曲が本当はたくさんあるのだろうが、考えてみれば僕は「Thank you, ROCK BANDS! 」以外で、カバーソングというものに触れてきたことが殆どなかった。

 

「歌ってみた」を除いて。

 

 そうだ、よくよく考えなくても「歌ってみた」はカバーじゃん! と気付いたのは、こないだおかゆんの記事を書いた時である。お題のハードルがストーンヘンジから小石になった瞬間だった。歌ってみたなら語りたいこと沢山あるぞ

 邦楽ロックに本格的にハマる前の僕の高校時代は、ボーカロイドとアニソン、そして「歌ってみた」で出来ていたといっても過言ではない。特に僕は歌ってみたを聴き漁ることに捧げた時間がかなり多かったと思う。一歩間違えれば自分が歌ってみたを出していた可能性すらある。インターネットに消えない傷を刻むところだった。本当に踏みとどまってよかった。

 

 ボカコレなどで大量に参加曲を聴いていていつも思うのだが、最近のボカロ曲はどの曲聴いても調声がわりとしっかりしている。おそらく合成音声ソフトそのもののクオリティの向上が大きいのだろう。それこそ僕の高校時代、だいたい10年前のボカロ曲は、人気曲でも原曲で聴くとわりと洒落にならないレベルで歌詞が聴きとれない曲も珍しくなく、歌ってみたで興味を持ったはいいものの、肝心の原曲を聴いて「あれ……?」となることも結構多かった。ミクやGUMIは当時から比較的聴きやすい方ではあったが、鏡音姉弟やルカなんかは、言葉を選ばずに言うなら結構ひどかった印象がある。

 そういう事情もあって当時は今以上にボカロ曲の原曲に触れる、埋もれている良曲を探すということがやりにくかったのだが、そんな聴きにくいボカロ曲を(声や歌い方の好き嫌いはあれど)人の声で出力してくれる「歌い手」という存在に、僕は本当にいろんな曲を教わった。当時は本当に批判が多かった界隈ではあるし、僕自身も気にくわない歌い手は何名かいたとはいえ、そういう部分まで含めて僕の音楽趣味に多大な影響を与えた文化である。

 今となっては「ボカロ曲をカバーする」という文化を含めて、当たり前に受け入れられる文化となったこの「歌ってみた」は、今日の邦楽の「カバーソング」というジャンルにおいて最も手軽に、身近に触れることの出来るものだと思う。そういった敬意のようなものも含めて、今回は厳選して3曲紹介させてもらう。

 

 

【童貞が】きらいな人【歌ってみた】

 

 

 この石風呂をはじめ、奏音69、n-buna、ぬゆり、バルーン、koyori、翁、烏屋茶房、ナナホシ管弦楽団、ラムネP、稲葉曇などなどなど、この「童貞が歌ってみた」でおなじみのびす氏で知ったボカロPがもう本当に多い。この人のカバーに人生を狂わされていると言っても過言ではない。僕の音楽趣味の方向性をあらゆる方向にぶん曲げた歌い手です。一番好き。

 長時間聴いていても耳の疲れない、気だるげで澄んだハイトーンボーカル。ボカロ特有の鬼のように詰め込まれた歌詞にも難なく対応する滑舌の良さ。この二点だけに絞ってもこの群雄割拠の歌い手界隈で綺羅星のように輝く魅力の持ち主なのだが、このびす氏の一番の魅力はもう何と言っても「原曲リスペクトが素晴らしい」に尽きる。余計なアレンジをしない、キーを変えない、雰囲気を過度に自分色に染めない、こういった曲に対するリスペクト、アプローチの仕方が抜群に上手い。

 上に挙げた「きらいな人」は彼の一番ノーマルな声質が出ている(と個人的に思っている)カバーということで挙げさせてもらったが、曲によってはデスボを披露したり、ケロケロ加工を強めに入れたり、女性のようなキーで歌ったりと、曲によって声の雰囲気からがらりと変えるその多彩なアプローチは毎回驚くほどに原曲に忠実であり、他のだれよりも「お手本」らしく聴こえる。僕はおもにカラオケで歌うための練習目的でびす氏のカバーを聴きまくった結果、他の歌い手の同じ曲のカバーが「解釈違い」っぽく聴こえてしまうように調教されてしまった。調教されてしまった、って成人男性が書くのキモいからやめた方がいい

 今や歌い手の垣根を超えたスターとなったそらる氏・まふまふ氏などとかつてしのぎを削っていた大ベテランであり、今から約10年前くらい、ニコニコ動画が今よりずっと活発だったころにはそこそこの頻度で歌ってみたを投稿されていたが、今はもう第一線を退いたのか、数か月~1年くらいの頻度で投稿されなくなってしまった。それでもLanndo(ぬゆり)のアルバムにボーカルとしてガッツリ参加していたり、Vの身体を手に入れたりと、近年も何だかんだ精力的に活動している。ちょっと前に出たKICK BACKのカバーも最高だった。

 

 

 彼のカバーでほんとうにいろんなボカロPを知ったし、何なら椿屋四重奏やFACTすら彼のカバーで知った。もうお世話になり過ぎである。下手なバンドより人生歪ませられてる。勘弁してほしい。昔はごくごくまれにライブをやっていたらしいが(じん・トーマ・ゆーまおという激ヤバメンツを引き連れてバンドやった際の感想レポとかがpixivにあるのビビる)いつか彼の生歌も聴いてみたい。

 

 


あのこどこのこ うたった【SymaG】

 

 

 ニコニコ動画で1000万回再生持ってる歌い手に説明なんていらんだろもう。義務教育ですこのおじいちゃんは。

 とにかくパワー! なんにせよパワー!! 技術も魅力もその基盤は圧倒的なパワー!!! と言わんばかりの”力”を感じる。基礎的な歌唱力も小技も滑舌も聴きとりやすさも何もかも、「歌」というものを構成する何もかもがどこを切っても異常なほどにハイレベルなのだが、それよりなにより歌と元来の声質そのものの持つパワーが圧倒的に高い。聴くものを有無を言わさず黙らせる、圧倒的な歌の攻撃力。

 故にロックなボカロ曲との相性がえげつなく、特にナナホシ管弦楽団なんかの楽曲を歌った時の氏は鬼に金棒という言葉すら生ぬるい。上で挙げた「あのこどこのこ」をはじめ「MISTAKE」「才能シュレッダー」「真夜中の微笑み」なんかはもう、氏に歌われるためにこの世に生まれたのか? と思ってしまうくらいにマッチしている。そういう相性の良さゆえにこのコンビは公私で仲まで良いらしく、楽曲提供したりサポートギターを弾いたり、最近はついにユニットまで組んでしまった。これまた超かっこいいのでぜひ

 

 

 この歌唱力もさることながら彼は本当にどこから見つけてきたのか分からない曲を歌うことも結構多く、彼のお陰で知ることが出来た楽曲も非常に多い。特に氏の歌みたで知った「猫にオレンジ」なんかは、初めて聴いて10年近く経った今でもよくカラオケで歌っている。ただ最近は、わりとメジャーどころを選んで歌ってる印象がある。ボカロ曲の増えるペースが近年あまりにえげつないので仕方のないところではあるが。

 彼は上のびす氏とは異なってメジャーデビューしており、コンスタントにアルバムをリリースしては定期的に全国を回っているので、生の歌を聴ける機会はわりと多い。とはいえ時間の都合がなかなか合わず、まだ実際に行ったことはないので、機会があったら行ってみたい。

 

 

p.h. / 猫又おかゆ(cover)

 

 

 ああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~か~~~~~わ~~~~い~~~~い~~~~~~~~のうがとける~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~WOOOOOOOOOOOOOOOOOOO~~~~~~~~~~~~

 

 

 というわけで、3曲を紹介した。

 今でこそロックバンドに現を抜かし、ギターロック、オルタナティブロックこそ正義と言わんばかりにいろいろ手を出しては騒いでいる僕だが、その音楽の嗜好の根幹部分にボーカロイドとこの「歌ってみた」という文化があり、それは今でも揺らぐことなく、自分の指針を定める大事な基盤として今でも存在している。

「歌ってみた」はニコニコ動画、そしてボーカロイドというコンテンツの有するある種のゆるさ、色んな方面からカルチャーを作っていくという土壌が生み出した文化であり、そしてきっとそれはこれから先も変わることは無い。これから先もこの「歌ってみた」である種の衝撃的な出会いを果たして、音楽にのめり込んでいく未来のとんでもねえ才能とかいるんだろう。きっと。あの米津玄師もおもしろフラッシュ倉庫がきっかけで音楽にのめり込んだらしいし。今までもこれからも、インターネットはおもしろい。

 

 

 

 

 

【アイドルに名曲は存在するのか】

 

 

 物議を醸すようなお題である。問い方よ。

 

 するだろ! と言語道断にしたいところではあるのだが、まあ気持ちは分からないでもない。僕もだが、多分ナツさんもアイドルにハマる、というのがこれまでの人生でなかったのではないのでしょうか

 

 というのも、年齢こそ少し違えど僕もナツさんも年代的に、AKB48というアイドルグループが当時、かなり賛否の分かれる商法でオリコンチャートを席巻し、オリコンランキング、レコード大賞などといった、それまで指標として機能していたものへの信頼性・評価の正当性を問われるようになった時代に多感な時期を過ごしているため、アイドルという存在に対してあまりいい印象を抱けなかったのもあるとは思う。おおよそ10年ほど前の嵐とAKB48しか年間のアルバム売上ランキングTOP10に名が載らなかった時代である。あの時は本当にJ-POPに対して一切の希望が無かった。マジで。

 

 だからまあアイドルソング、というものに名曲が有るかと問われると結構難しいんじゃないかなあ、みたいな思いはある。きっとあるのだろうが、個人的に思い当たらない。みたいな。

 いやいや待ってくれよ今はあの我らが田淵智也氏が音楽をプロデュースしてる「DIALOGUE+」とかあるじゃん、そう思う気持ちも分かる。ただ僕に限って言えば、あれはアイドルとしてというよりは、田淵智也という才能の出力先の一個として認識している部分がある。なので彼女らの楽曲が好きというよりは、彼女らの向こう側に透けている田淵智也が好きといっていい。現に僕は、DIALOGUE+のメンバーの名前を誰も知らないし、この先ライブに行く気も全くない。

 

 他にも例えばでんぱ組.inc「Q」はwowakaおよびヒトリエが、私立恵比寿中学の「宇宙は砂時計」はキタニタツヤと笹川真生が関わっているから聴いたにすぎず、僕がアイドルの曲で「名曲」だと感じているのは結局その向こう側の制作者に興味があるだけで、それは果たして「アイドルの名曲」として聴いているのか、と問われると微妙なところがある。

 

「アイドルの名曲」として捉えたいのであれば、そのアイドルをちゃんと好きにならねばならない、みたいな思いがある。例え聴きどころも無ければ歌詞も極めて凡庸なしょうもない曲でも、ファンとアイドルが双方の関係性を深めていくなかで、少しずつ名曲に仕上げていくことがアイドルの音楽との向き合い方なのかもしれない。マジで失礼なことしか言わない

 という事情もあって、今回はそういう「作曲者が切っ掛けで聴いた」というのを無視して、単純にいい曲だな~と思ったアイドルの曲を3曲ピックアップさせていただいた。本当にアイドルというものに詳しくなくて申し訳ない。

 

 

くるかな/Especia

 

 

 今からおおよそ10年前に存在したアイドルグループEspeciaから一曲。インターネット・アンダーグラウンドの煮凝りのような音楽ジャンルである、Vaporwaveのエッセンスをふんだんに取り入れたサウンドが魅力的な一曲である。

 Vaporwaveというのは既存の音楽を切ったり貼ったり伸ばしたりピッチをブレブレにしたりとんでもなくスローテンポにしたりと、原曲の原形が分からなくなるほどにドロドロに加工した、文字通り蒸気、靄の中に包まれたようなサウンドと、石像やタイル、旧世代型PC、チラシ、プレステなどといった謎オブジェクトによる謎アートワーク、そしてかつて存在した伝説的な翻訳サイト、エキサイト翻訳にぶち込んだかのような、日本語と英語が入り混じった奇妙な曲名が特徴の音楽ジャンルである。

 真面目に耳を澄ましてもよく分からない、のに作業用で垂れ流すと気を取られがち、「何なの?」と問われても全体像すら曖昧で、曲によっては作者すら分からないなんてこともザラにある。とにかくインターネットの卑屈な部分、アンダーグラウンドな部分の空気感をそのままパッケージングしたような、郷愁、哀願、悲観、憂鬱。そういうのが好きな人間の、心の柔らかい部分にぶっ刺さる音楽と言える。僕は好きすぎてこないだとうとうディスクガイドブックを買った。最近はこのガイドブック片手にVaporwaveをひたすらに漁る妖怪と化している。

 

 

 僕がこの音楽ジャンルを知った時に、ネットサーフィンをしていてたどり着いたのがこの「Especia」である。メンバーの名前も何も知らなかったし、今でも1枚のアルバムとYouTube上に残された楽曲以外何も知らないが、それでもこの浮遊感と、何も分からないのになぜか強烈なノスタルジーをもたらす謎MVが恋しくなって、ときどきこの「くるかな」の再生ボタンを押している。本当に、それだけである。

 ぶっちゃけて言えばこの曲のどこにVaporwave要素が含まれているのかと言われると正確には分からないのだが、雰囲気的に似たような感じなのは分かる。愛の座敷牢はこの程度の音楽的知識てやっております。いい曲だよ、聴きな

 

 

広告の街/sora tob sakana

 

 

 今となってはハイスイノナサもsiraphも聴いてしまったので、今回のピックアップの条件に当てはまるかと言われればちょっと微妙な感じはするが、知った順番で言えば(多分)sora tob sakanaハイスイノナサ→siraph→照井順政なので許してほしい。知った切っ掛けはとある方のブログ記事だったのだが、今そのブログを検索したら非公開になっていた。こういうのは寂しい。

 これはもう聴けばわかる。こういうのが好きな奴にしか聴かせる気の無い音楽である。こういう音楽をアイドルがやっていて、しかも売れていたのが本当に良い。この国に希望が持てる。どうやって鳴らしているのか分からない変幻自在のギターサウンドと、当たり前のように変拍子。その間をきらきらと跳ね回るピアノの美しさ。インストだけであまりにもカッコいいのに、そこに乗っかる歌メロとボーカルの声の調和が素晴らしい。あくまでこの鬼のような演奏は彩りという贅沢さ。

 隔絶された位相にあるような、触れることの叶わない「美」が、アイドルという存在を通して、触れられる位置にあるような錯覚に陥りそうになる。アイドルというのはそういうイデア的なものを可視化する力があるのかもしれない。それっぽいこと言えば誤魔化せるかと思ったけどダメだな すいません 曲が好きです。他なんも知らん 

 惜しくも2020年に解散してしまったが、思えば僕はメンバーの名前もろくに知らないまま好きになっていた。よく考えたらバンドに関しても、ろくにバンドメンバーの名前すら覚えないまま好きになって、そのまま解散か活動休止まで追い続けていることも多い気がする。音楽を娯楽として聞く以上、それ以外の情報はある意味野暮なのかもしれない。

 

 いやアイドルは名前覚えて応援してナンボだろと思った貴方、正解です こういう低品質なchat GPTで生成したような文章に騙されてはいけない。

 

 

 

琥珀糖/猫又おかゆ

 

 

 神山 羊ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!おまえは天才だ!!!!!!!おかゆ!!!!!!!!!!!!!!!!お前も天才だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!お前がThe cutest in the world!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!フォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 というわけで三曲紹介した。アイドルの好き曲紹介というよりはというよりは自分の癖の開示な気がしてならない。今日も無駄に元気なあけっぴろげ28歳

 これ書いていて思ったが、未だに僕は地下含めてアイドルのライブというものに行ったことがない。ライブというよりは「コンサート」になるのか?

 大昔にBIGBANGのライブに行ったことはあるが、国産の、オーソドックスなアイドルは全くないんだな、と思った。というかよくよく考えたらバンド・シンガーソングライター含めて、女性ボーカルのライブに行った回数がめちゃくちゃ少ない。強いて言うならパスピエとlicalくらいである。自分でも気づかなかった意外な事実。

 今年か来年か、どっかで一回爆音の女性ボーカルを浴びたい なんか良いアイドルでも探すか……

 

 

 

 というわけで、今回は二つのお題について回答した。まあ、無難に書きました。

 

 とても、無難に……

 

 無難に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無難に終わるのもなんか癪なのでもう一個いくか

 

 

 

 

【この漫画のイメージソングはこれだ】

 

 突然ですがみなさん、あのおもしろサッカーアニメ、ブルーロックの主題歌は? 

 そう「カオスが極まる」ですね

 

 

 こないだリリースされたばかりの新アルバム「Ninth peel」にも収録され、今となってはもうユニゾンのカオティック枠として定着しつつある爆裂激ヤバロックナンバー。その疾走感と強烈なサウンドもさることながら、なによりサビの「ヤバすぎんだろ」というあまりにもテニプリっぽさのあるキャッチーなフレーズは、ユニゾンファンのみならずブルーロック界隈でも汎用性の高いワードとして定着しているらしく、Twitterやネットの掲示板などを見てると、結構な頻度で「○○すぎんだろ」という言葉を見かける。そういう意味でも改めて田淵氏のワードセンスの高さを思い知らされる楽曲である。

 この「カオスが極まる」は、今や空前絶後の大ヒットをぶっ放している鬼メンタルサッカー漫画ことブルーロックと、切っても切り離せない楽曲となったことは想像に難くない。ブルーロックといえばカオスが極まる。カオスが極まると言えばブルーロック。疑う余地もない。これぞ主題歌である。

 

 では、ブルーロックの「イメージソング」は?

 

 ナツさんが「まだアニメ化していない漫画の主題歌となる曲」という解釈でこのお題を書かれたのならこれから先の文章は正直ズレたものとなる気がしてならないのだが、もうこの際ご了承願いたい。俺はもうスキマスイッチの「ゴールデンタイムラバー」があまりにブルーロックにぴったり過ぎるって話をしたくてしょうがない。

 

 

 確信を持って言えるんですけど、この曲は10年以上前に、存在しないサッカー漫画に向けて作られたイメージソングです。そうとしか思えない。なんかハガレンの主題歌だった過去もあるらしいけど関係ない。そんなん知らん

 

 

 これまでUNISON SQUARE GARDENは本当にいろんな作品とタイアップをしてきたが、本当に初めてタイアップ先の作品にハマった気がする。夜桜四重奏血界戦線については一通り読んだものの、結局タイバニも三月のライオンもボールルームへようこそも、風が強く吹いているもろくに嗜まなかったが、ブルーロックは原作を全巻買うほどにハマった。絵が見やすくて上手くてストーリーがアホでも分かるほどに明快なのが本当に強い。コミックスの発売を楽しみにしながら生きている。

 アニメも漫画も見ていない人向けにブルーロックという漫画を簡単に説明すると、日本の弱小サッカーを憂いたサイコパスメガネが、どこか山の奥地にあるバカデカい閉鎖空間に集められた全国の高校生フォワード300人を集めて理不尽かつ過酷な篩にかけ、たった1人の最強フォワードを創り出すという、サッカーとデスゲームを掛け合わせたような設定のスポーツ漫画である。

ボールは友達」や「仲間のために頑張る」などといった、従来の少年スポーツ漫画では当たり前に踏襲されていた意識を真っ向から踏みつぶし、日本人選手に足りない「エゴイズム」をどこまでも重視するストーリー展開を構築することで、その作風によって個々のキャラの個性を際立たせた結果、サッカー漫画でありがちな「登場人物が多すぎて活かしきれない」という問題点を克服している点は画期的である。

 顔とサッカーの技量が良いけど他が全部だめ、みたいな登場人物がゴロゴロ出てくるのでいちいちワードチョイスが強かったり、サッカーのメンタル面や思考法に関する描写が多かったりと、どことなく自己啓発っぽい感じがするのも特徴である。読むと自分が強くなった気になれるサッカー漫画。あとあれだ、漢字にものすごい読み仮名を振りがち。

 そんなおもしろ読み仮名サッカー漫画、ブルーロックのイメージソングとして名高い「ゴールデンタイムラバー」だが、開口一番の

 

集中できてないな まだ身体が迷っているんだ

震えてたんだ コントロールしたってブレるんだ

 

 ここは入寮テストで他人にボールを当てようとしても上手くいかない潔世一(主人公)の姿が重なるし

 

状況は悪いがただ逃げだすんじゃ根性ないなぁ

展望はないが 度胸でクリアするしかないや

 

 ここは一次選考の「VSチームX戦」でどうしようもないほどに点差を付けられても、一矢報いようと奮い立つ潔世一蜂楽廻(潔の良き理解者。かわいい)の姿が重なる。

 

衝動は抑えたままターゲットとの間隔探れ

必要なもんは勝つプライド

 

 ここはパズル化(潔が成長するときに出てくる演出。身体がキャプテン・ミリオンパーツみたいになる)して思考を巡らせる潔世一を彷彿とさせるフレーズで

 

味わうのは勝利の美酒か

それとも敗北の苦汁か

そう全ては2つに1つ 操りたい運命の糸

 

 ここはどう考えても第一話、埼玉県大会決勝で勝利した松風黒王高校と、負けた一難高校(潔が通っている高校)の対比であり、その後のフレーズは「青い監獄」参加を決めて走り出す潔の姿とシンクロしている。

 

絶好のゴールデンタイム この手で掴め

渾身のポーカーフェイス 決めて仕掛けるよ

 

 ここは一次選考の「VSチームY戦」で、残り一分で総反撃を行うチームYの頭脳、二子一揮そのものと言っても過言ではない。

 

際限ないプレッシャーゲーム するりと抜けて

栄光のボーダーライン 飛び越えるために

ハウメニー? どれくらいの代償が要る?

手放したくないもんはどれ?

 

 ここは一次選考の「VSチームV戦」にて、チームメイトの制止を振り切って「自分のゴールで勝ちたい」のエゴを爆発させ、自分の有していた必殺技「直撃蹴弾」を開花させる潔の姿と完全にマッチする。

 

 

 1サビに行くまででこれだからもう大変である。その後もすべてのフレーズがブルーロックとドンピシャ。もはや原作の金城宗幸氏が、この曲が似合うサッカー漫画を作りたいと考えて設定とプロットを作り込んだとしか思えない。もちろんそんなことは一切無いんだけど、10年以上前に作られた楽曲が、今この時代にスポーツ漫画の最先端を走っている漫画と奇跡的なシンクロをしている。この事実がめちゃくちゃ気持ちいい。アツい。

 過去にKing Gnuの「壇上」の歌詞を読んだ際「宝石の国のフォスフォフィライトのイメージソングとしか思えない」と反射的に思った時もそうだが、ある創作作品、或いはその登場人物とドンピシャに重なるイメージソングを見いだせた時の快感というか、その曲への愛着の湧き方というか、あの感情はわりと何物にも代えがたい気がする。最近はキタニタツヤの「デッドウェイト」が、呪術廻戦の夏油傑のイメージソングのように思えてちょっとびっくりした。タイアップおめでとう! 青のすみかたのしみ!

 

 僕にとってブルーロックのイメージソングは「ゴールデンタイムラバー」だが、他にもいろんな解釈があっていい。むしろ知りたい。おまえのブルーロックの解釈を。良いのがあったらこっそり教えてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 猫又おかゆのイメージソング

 

 

 首輪を!!!!!!!!!!!付けるのは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!他の誰でもねえ!!!!!!!!!!俺だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!何卒宜しくお願い致します!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ンアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!