愛の座敷牢

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『恋する惑星』とかいうよく分からないチャラい曲と向きあった日々【Ninth Pencil】

 

 

 

 

 

【4/2】

 最高のスペースシャトルの行先がこんな記事で悪かったな

 

 

 

 

 

 

 

 Ninth Peel 1周年記念非公式企画“Ninth Pencil”2日目、序盤も序盤だが関係あるかこの野郎

 曲決めルーレットに大敗したオジサンの腹いせ・ノンフィクション・激こゆ・特大ボリューム・毒(ドキュ)メンタリーを食らえ

 無論皿まで、とは言いませんが、お付き合い頂けるところまでは、よろしく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  遡ることだいたい1か月ちょっと前のこと

 

 

【2/10】

 今回の(というかこういう企画はほとんど毎回だが)主催であるナツさんから、今回の企画であるNinth Pencilの発表が為される。

 今年は我らがCatcher In The Spyの企画もやると公言しているのにも関わらず、これである。いくら奴らの20周年だからと言ってあまりに気合が入り過ぎてはいないだろうか。バイタリティが服着て歩いてるとしか思えない

 この時は「以前記憶が正しければ、Catcher In The Spyの方に誘ってもらえるとかなんか言ってたし今回はパスでいいかな~」などと思っていた、思っていたのだが……

 

 

 

【2/12】

 

 なにがまかセロリだよ いい加減にしろ

 一時のノリで参加表明したことをここから1か月ちょっと後悔することになるというのに、なんだこの思い切りの良さは。脳みそがヘリウムで出来ているとしか思えない

 

 

 

【2/15】

 ここで一つ、参加者ではない読者の方のために、今回の企画"Ninth Pencil"の概要について、ナツさんのツイートから引用させて頂く。

 

 

 目玉となる今回の企画の特色だが、担当する楽曲が希望性ではなく、抽選で決まることにある。つまりロックなUNISON SQUARE GARDENが好きな人がバラードについて書くことになったり、その逆が起こったり、常日頃「上司の机にウンコしたい」みたいなことしか呟いていないようなカニが茶化すのを非常に躊躇われるような曲について書くことになったりとか、そういう化学反応、もとい交通事故が起こる、いや起こりかねないおそろしい企画である。考えた人は前世でデスゲームの主催をしていたとしか思えない。

 参加表明をしてしまったものはもう仕方がないので、現実逃避の一環として、とりあえずどの曲が無難かを考えることにした。

 

 

★【当たり】ロック調軍団の方々

・ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ

・カオスが極まる

・Nihil Pip Viper

・アンチ・トレンディ・クラブ

 

 個人的な当たり枠。

 というものの、曲そのものが誤魔化しが効くくらいには元気なので、最悪当日までに何のネタも浮かばなくても、ノリとパッションでゴリ押せばそれっぽくなる気がしている。

 本当にどうにもならないならそれはそれで、自分に限って言えば以前MODE MOOD MODE の企画にて書かせて頂いた、MIDNIGHT JUNGLEの記事の天丼でもやれば(記事としてのクオリティはどうあれ)おそらく丸く収めることは可能なので、他の楽曲と比べればぶっちゃけイージー。もしもの時のために、そういう分かりやすい逃げ道を一つ用意することが出来ることもあって、記事の大枠やプロットの組立に割く思考のリソースがその分減るのは素直にありがたい。

 

 

★【頑張ればなんとか】オシャレ担当組

・City peel

・Numbness like a ginger

 

 一見無謀にも思えるが、他と比べればまだどうにか出来そうな2曲。

 確かにこの有無を言わせないオシャレ半角アルファベットの並びには一瞬怯みそうにはなるものの、逆に僕がオシャレから程遠い存在なので、それを自虐するネタで記事を9割埋めることが出来れば、実質的に曲を語る部分は140字くらいで済む。我ながらド最低な手法だが、これが一番楽なのだから仕方あるまい。

 来客に出すカルピスと、自分とタイプが違いすぎて語りにくい曲への語りは極限まで薄めろ――――これが当ブログ、愛の座敷牢での執筆における必須テク・自虐水割り論法である

 

 

★【まあ……】王道を行く三銃士

スペースシャトル・ララバイ

・kaleido proud fiesta

・フレーズボトル・バイバイ

 

 考えるだけで荷が重いので出来れば引きたくはないものの、引いたら引いたでまだどうにかは出来そうではある3曲。どの曲も現UNISON SQUARE GARDENニュートラルな部分を体現するマスターピースという印象。

 はっきりいって自分の性には合わないし、変に茶化すようなネタも組み込みづらいので、おふざけ方面に舵を切るのが難しいことは明確にしんどい。が、それはおそらく読み手側の感覚も大体同じなので、期間内にそれっぽいことを書いてまとめあげることさえ出来れば、他の参加者の方が自分では見当も付かなかったIQの高い解釈をしてくださることで、どうにか丸く治ってくれそうな感じはする。些か他人任せが過ぎる気がしないでもないのは気のせい、ではない

 上の二枠とは異なって誤魔化し、という名の飛び道具が効きづらいのでそこは難しいが、まだやれそう。ただどう足掻いてもとてつもない難産と格闘することになるのは着手する前から目に見えているし、混ぜられるおふざけの濃度も限界がありそうなので、出来ることなら避けたい。

 

 

★【☠】勘弁してください

もう君に会えない

 

 流石にキツい。

 歌詞が歌詞なので、これのことを詳細に語るくらいなら体調不良を理由に辞退するのが真面目に選択肢に上がるレベル。ネタがあるとかないとかそういう次元ではない。嫌。 

 ぶっちゃけこの曲の存在を考慮する脳があったら、参加表明すらしてないと思う。というか参加表明してからこの曲の担当を引いた時のことを考えて「終わった……」となった。それくらいキツい。曲決め当日も「この曲だけは当たりたくない」と願っていた。ハリー・ポッターを未だにちゃんと読んだことはないが、スリザリンは嫌だってこんな気持ちだったんだろうな、きっと

 ここまで散々言っているものの、楽曲単体としてはこのアルバムの中でも1,2を争うレベルで気に入っている。だからこそ、余計に難しい

 

 雑だが、各曲についての印象はこんな感じ。

 元気でカッコいい曲の担当になれたら多少は楽だな〜と、漠然と考え始める

 

 

 

【2/18】

 曲決め当日。

 参加表明をした後から、何度か通してNinth Peelを聴き返し、なんだこれ良いアルバムだな〜とあまりに遅すぎる再認識をしながら、いくつかの楽曲でなんとなく記事の筋書きが浮かぶ。

 ロック調な方々の担当になれますように、とささやかな願いを胸に、この日の夜に行われた主催の曲決めスペースをリアルタイムで拝聴する。

 しかし改めて思うけど主催声いいよな ルーレットの才能は皆無だけど……

 企画参加を表明している他の方と一緒にもくりという作業通話アプリを使って、主催のスペースの実況をしていたのだが、本当に色んな意味で阿鼻叫喚だった。

 そんなスペースにて、わたくしに割り振られた楽曲は

 

 

主催「2曲目、恋する惑星は樒さんになりました(笑)」

 

 

 ??

 

 

 恋する、惑星…………?

 

 

 どちらさまでしたっけ……

 いやちょっと存じ上げないですね……スペースシャトル・ララバイの次の曲……? どうしようもなく生きてみたくなったフェーズを通り過ぎたら、速攻で制御不能になるのが俺たちの知っているNinth Peelでは? 

 流石にこれは冗談だとしても、真面目な話初めてアルバムを通して聴いた時に、一番印象に残らなかったというか、微塵も琴線に触れなかった楽曲がこれである。どれくらい関心が湧かなかったかというと、MVすら観てなかったレベル。この際正直に白状しますが、今回の企画がきっかけで初めてMVを観ました。

恋する惑星 君はユニバース」という、どう考えてもそんなわけないサビの歌詞と、Ninth Peel tourのセットリストでは非常に良い位置にいたこと、それくらいしか印象がない。噂によるとこのアルバムのリード曲らしいが、本当に信じられない。少し個性的な居酒屋の謎のお通しとか、ポジション的にはそんなもんじゃないの?

 とはいえ当日は後程あれほど苦労するなんてことはつゆ知らず、無邪気に「俺がuniverse……」などと呟いていた。アホである

 

 

 

【2/19】 

 一夜明けて冷静になってから事の重大さを思い知り、頭を抱える。

 この頃から「何やねんこの曲」が口癖になる

 

 

 

【2/21】

 決まってしまったものは仕方がない、と腹を括り、改めてこの『恋する惑星』と向き合う覚悟を決める。改めてなんだね、このハッピーセットなイントロは あんたをそんな子に育てた覚えはありません もっと殺伐としなさい と、心の中のオカン・オルタナティブがアラフォーの御三方に説教をしている

 そういえばMVを通して観たことなかったな、と思ってMVを観ることにする。

 なんか途中でムゲンダイナが出てきそうなシーン有るのおもろいね

 曲の雰囲気としては『君の瞳に恋してない』あたりと近しいものを感じるが、あちらがMODE MOOD MODEという大傑作アルバムの大トリを飾る大団円のようなポジションなのに対し、こちらは2曲目、序盤も序盤である。その割にスケールがデカ過ぎる。某cher In The Spyだったらまだ足元確認をしているころだというのに。

 こういう、アルバム全体の雰囲気を定義しかねない位置に置くには少し勇気のいるタイプの曲だと思うのだが、どうだろうか。そうでもないのだろうか。like coffeeのおまじない、君の瞳に恋してない、春が来てぼくらを経た彼らからすれば、こういった楽曲も「ロックバンドは、楽しい」の範疇に入るのだろうか。入るんだろうな。

 しかしまあ、世界はファンシーとか天国と地獄とか、あの辺のあからさまにどうしようもない系とはまた違った系統でツッコミどころの多いMVだなと。大体何で開幕から回転ステージの上で演奏してるんだよ。中華料理屋か?

 それと、どう見ても太陽ではなさそうな天体の周りを、土星っぽい星が回ってるのも違和感がすごい。あまりに相容れないこの曲の歌詞は、もしかすると違う惑星系での話なのかもしれない。あと途中で観葉植物が唐突に中央に鎮座するのもジワジワくる。めちゃくちゃ居心地が悪そう。「エッ、俺すか?」みたいに思ってそう。

 これから1か月近く、自分がこの曲と向き合い続けることが信じられない。どうにか頭を回し続けるしかない。コマのように、惑星のように、バレリーナのように、因果のように――――

 

 

【2/22】

 昨日からあまりにこの曲と自分が仲良くなれるビジョンが浮かばず、もう「この曲を理解しようとしたこの期間のことを日記っぽく書いて終わるか」と思い始める。そうです、今皆さんが読んでいるこの記事は、そういうことです

 この担当が決まってから毎日この『恋する惑星』を聴いているが、毎日聴いているだけで一向に好感度が上がる気配がない。そもそも近年はオルタナティブロック大好きおじさんに傾倒しつつあるこのわたくしと、このハッピーハッピーハーッピー♪なイントロから開幕するLOVE♡惑星では文字通り住む世界が違う。違い過ぎる。おそらくだが日常的に使用する言語から違う。ヒロインがアラビア語でしか喋らないギャルゲ―でもやってる気分 مهلا، أنا لا أحبك بشكل خاص.

 どこを切ってもどう聴いても、どうしようもなくおじさんもといオタクに厳し過ぎる気がしてならない。もう俺には『恋する惑星』が『オタクに優しいギャル』の対義語としか思えない。 何が『恋する惑星』だよ、贅沢な名前だね本当に お前のことを今日から『現実』と呼びたい。お前は、ただの現実

 鮮烈な『スペースシャトル・ララバイ』直後に突きつけられる『現実』、そして炸裂する『ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ』 これが俺の求める真の、新時代のNinth Peel、言うなればNinth Peel next

 何の話?

 

 

 

【2/24】

 Q.UNISON SQUARE GARDENのオリジナルアルバムで一番好きなアルバムはCatcher In The Spyですね?

 A.そうです

 

 僕は、UNISON SQUARE GARDENという存在にはその瞬間のスリーピースバンドの限界地点を超えた、完全無欠のロックンロールを求めている。逆に言えば、それ以外をあまり求めていない。何の変哲もない希望を歌っても別に構わないが、それはそれとして最高にカッコいいギターと、すっげえ動くべ―スと、世界ごと叩き壊すようなドラムは、余すことなくちゃんと添えてほしい。

 何が言いたいのかと言うと、この『恋する惑星』という曲は、僕がUNISON SQUARE GARDENに特に求めていない成分をそこら中から集めて煮詰めて抽出して、致死量の甘味料とゼラチンを入れて冷やし固めたような曲なのだ。こういう曲に真正面から向き合おうと奮闘しても、仲良く出来るわけがない。 当たり前の話

 何回も言うがなんだこのド頭のご機嫌なホーンバリバリのイントロはよ。日曜日のお昼に放送してるバラエティ情報番組のオープニングBGMくらいだぞこんなん使うの。明らかにライブキッズより、茶の間で寝転がりながらせんべいを食って尻を掻いているマダムに向けた音のチョイスな気がしてならない。

「君はユニバース」とかいう、どう考えてもそんなわけないワードチョイスも、テレビの向こう側のマダムへの口説き文句と思えば筋が通る。そう思えば、及川光博あたりがカバーするのはちょっと面白いかもしれない やってくれミッチー

 

 

 

【2/25】

 毎年2月25日は、愛の座敷牢ぷちコラムの日

 

 独断と偏見・Nintn Peelにおける個人的な各曲の印象

 

 スペースシャトル・ララバイ⇒シンプルに善人。同期との飲み会では率先してサラダを取り分けたり、さりげなく全員に話題を振って会話を盛り上げてくれる。端正な顔立ちで、足が速い。

 ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ⇒一見無口で不愛想だが、話してみるとよく笑うしノリも良く面白い。ワイルドな見かけに反してやたらと語彙力が高く、ツッコミのワードチョイスにそこはかとない知性を感じることも。趣味は筋トレと映画鑑賞。

 カオスが極まる⇒鉄分補給と称していつもナイフをペロペロ舐めている、街で噂の危ない奴。話せば分かるが話さないと何も分からない。一人っ子。靴紐を結ぶのが苦手。

 City peel⇒都市部在住の営業マン。オフィス街から少し離れた良い感じのバーでマイナーなカクテルを嗜んだり、スタバのプリペイドカードを有していたり、Androidユーザーを内心見下したりしている。少し前にコーヒーミルを買ったが、おそらくすでにほこり被っている。有名私大出身だが、指定校推薦での入学であることはそれとなく隠してそう。

 Nihil Pip Viper⇒一見快活で人当たりはいいが、本性は腹黒く意外と根に持つタイプ。他人に彼のことを尋ねる意味で誰に似てる? と訊くと、高確率で糸目関西弁キャラの名前を挙げられる。毎回物事に対してメリット・デメリットを一旦考えはするものの、その結論はノリで決めがち。

 Numbness like a ginger⇒メガネが似合う。非常に似合う。メガネを外すとメガネ側が本体扱いされる、という友人間でのお決まりの流れには内心うんざりしている。電車の中で足を開いて座席に座っている男を見かけるたびに、Xにて日本の将来を憂うポストをする。梅干しが好き。

 もう君に会えない⇒寂寞。斑雪。晩夏光。ペトリコール。踏切の向こう側。色褪せた飛行機雲の写真。テトラポットの隙間から見える海面。静まり返った図書館でシャープペンシルを落とした時のあの感覚。SNSによってパターン化された情緒にカモフラージュされた慟哭。

 アンチ・トレンディ・クラブ⇒南米からやってきた助っ人外国人。持ち前のパワーで特大のホームランを量産する。内角低めの変化球に弱い。

 kaleido proud fiesta顔も性格も良い人気者だがパーソナルスペースが広く、必要以上に距離感の近い相手には内心神経をすり減らしている。人生生きてさえいればどうにかなるとは思っているが、どうにかなるだけだとも思っている。ふるさと納税と積み立てNISAをちゃんとやっている。老後のことを考えて眠れなくなりがち。

 フレーズボトル・バイバイせっかち。カップ麺にお湯を入れてから3分の待ち時間が苦手。物事は計画的に進めたいタイプではあるが、計画にアクシデントが起こってもリカバリーが早い。睡眠時間は短いが眠りが深い。興味のない話への相槌が下手。

 

 恋する惑星⇒疎遠になりかけていた友達が、久々に会った際に連れてくる他人。よく自分を陰キャだと自称するが、その度に場が微妙な雰囲気になる。飲食店の店員にタメ口を使うが、最低限の気遣いは出来る。カラオケでは85点くらいのドライフラワー/優里を歌う。俺が歌ってる時はおそらくスマホを触ってる。米津玄師と須田景凪と神山羊を横に並べた時、誰が誰だか区別が出来ない。LINEのプロフィール写真が自分の幼少期の写真。

 

 

 

【2/26】

 恋する惑星を聴きながら踊っていたら自室の本棚に足をぶつけて悶絶する。

 なんやねんこの曲

 

 

 

【2/27】

 

 

 

【2/28】

 職場にて、業務時間の殆どを恋する惑星のことを考える時間に費やしている。仕事だと? 仕事なんてやってる場合かバカたれ、さっさとこの曲との決着を付けないと、わたくしのApple Musicにおける今年の年間再生数ランキングが大変なことになるのだ。その年にリリースされた殺伐としたオルタナ名曲がずらずらと並ぶ中に、明らかに足並みを揃えようとしない、協調性の欠片もない曲が鎮座することになる。美しくない

 寝ても覚めても家でも外出先でも、この曲を理解しようとして再生ボタンを押すたびに鼓膜を揺らす「ウーウーウー!アーイヤイヤー!」で、今にも頭がおかしくなりそうである。今は移動中や部屋の中で何かしているときくらいしか聴いてはいないものの、このまま自分の生活にこの曲が侵食していくと、そのうち日常の些事すべてに紐付く気がしてならない。

 食事の時も風呂の時も、トイレの時も寝る時も、病める時も健やかなるときも、その全てにちらつくウーウーウー!アーイヤイヤー! そのうち恋する惑星を聴いている時間が自分のニュートラルで、この曲を聴いていない時間が異常、という、傍から見れば常軌を逸したような状態と化す。自分の人生は恋する惑星を聴くためにあり、仕事やその他の遊びは恋する惑星を摂取するためにこなす”ノルマ”となるのだ 

 大げさ? 馬鹿言うなお前 Catcher In The Spyも通ってないのか

 

 

【3/3】

 そろそろ真面目に恋する惑星と向き合うか……と思いながらも、一向にパソコンに向かわない、向かえない自分に驚く。パソコンを起動する、ただそれだけの動作なのに、信じられないほど煩わしい。身体がこの曲を拒否しているとしか思えない。逆麻薬

 通勤時間中にこの曲を延々とループさせていると、自分というものが崩壊していくような錯覚にすら陥る。決して好きなタイプの曲ではないのにだんだんクセになっている自分がもう、分からない。今日はついに車を運転しながらイントロで横揺れしていた。どうでもいいけど、もしこれで事故ったらなんて説明するんだろうな 星が回る理由を考えてましたとでも言うか? バカか?

 とはいえうだうだといつまでも嘆いていても仕方がない、ということで今日は音楽ナタリーのNinth Peelリリース時のインタビューを読んだ。

natalie.mu

 改めてこの曲がリード曲、ということに慄く。家族でも人質に取られていたとしか思えない。

 当方音楽の知識が浅いため、ここで語られている「5管」が分からなかったのだが、どうやら単純にホーンセクションの人数らしい。5管なので、そのまま5人での演奏。実際にアルバム付属の歌詞カードの末尾、各曲のAdditional Munsicianの箇所にも、恋する惑星(M2)についてキーボードを除いた担当者5人の名前が記載されている。トランペットが2人、トロンボーンが1人、アルトサックスが1人、テナーサックスが1人らしい。こう聴くと頭から尻尾までお祭り感のある伴奏に納得はする。

 田淵氏の「こんなキュートな曲書いちゃっていいの?」というくらいポップな曲にしたい、という命題、コンセプトに関しては、これ以上の無い模範解答だとは思う。これがもし、声優とかVtuberに提供されていたら良くも悪くも何も思わなかったんだろうけど、彼らのオリジナルアルバムのリードという扱いが未だにしっくりこない。

 あとこれは本当にどうでもいいんだけど、このインタビューの斎藤氏、ちょっとだけヨビノリたくみに似てる気がする

 

 

 

【3/4】

 リアルの仕事が忙し過ぎてこんなハッピーな曲に構っている暇がない

 自分にとってこの曲は、テンションが高いときに聴くとものすごく気分が上がるが、反対に自分の精神が終了しているときに聴くとただの煽りにしか聴こえないという、気分に掛け算をするような曲だということに最近気が付いた。どうりで日常生活の殆どを鬱々として過ごしている僕とは相性が悪いはずである。楽曲へのアプローチの仕方を初手から致命的に間違えている。もっと言うなら人選が不適すぎる。

 残業を重ねに重ねた這う這うの体で気分転換にと少しだけスプラトゥーンをやって、これ以上ないほどにぼろ負けした後に聴いたこの曲は世界一ムカつく曲だった。マジで。

 自分の為にも、そしてこの曲を正しく愛する為にも、日ごろからアゲアゲを心がけるべきだと思いました。もしかして恋する惑星、ある意味では人生の教科書なのかもしれない 。ねえよバカ

 

 

 

【3/6】

 レジ―さんという、Twitterに各地で行われたユニゾンのライブのセットリストを毎回共有してくださる(個人的な印象)御仁による、Ninth Peelリリース時の田淵氏へのインタビューnoteを読んだ。

note.com

 前に読んだナタリーでのインタビュー、公式スペシャルサイトでのインタビュー、そしてこちらのインタビューを読むと、Ninth Peelというアルバムが今までのアルバムと違い、これまで田淵氏がこだわっていた「アルバムを通して聴くことのロマン」みたいなものを考えないで作っていることを幾度となく強調しているように感じる。良い意味で相当肩の力を抜いて作っているというか、あえて言うなら実験的、挑戦的な印象も受ける。

 前作のPatrick Vegeeが通してアルバムを聴いた際のカタルシスを極限まで突き詰め、追い求めたものだったことを踏まえると、同じバンドとは思えないコンセプトの振れ幅。しかし、敢えてこれまで大事にしてきたものを一旦無視することそのものが武器になるのは明確な強みだなとも感じた。何をやっても面白く、様になるのはロックバンドとして本当に強度が高い。ほれぼれするぜ

 そして肝心の恋する惑星に関してのお話。ナタリーのインタビューにも同じような話があったが、田淵氏がこれをリードに据えようと個人的に推したわけではなく、あくまでディレクターが気に入ったものをリードに据えたらしい。こういう判断も含めて、構築のロマンみたいなものをあまり考えずに作った、なのかもしれない。

 このインタビューには、恋する惑星を正面からちゃんと咀嚼して味わうために大事な情報がたくさん詰まっている。あくまで僕個人の話ではあるが、これを読む前と読んだ後ではこの曲への印象がずいぶんと変わった。

 特に

・「もう何でもいいかな!」みたいなモードが反映されているという意味ではこのアルバムらしい一曲

・『MODE MOOD MODE』の時はなぜオーケストラなのか、なぜホーンなのかを田淵氏自身が全部説明する、みたいな感じだったが、今回はわあ面白い! 最高!くらいのもの

・「どうでもいい」がちょっと投げやりに聞こえたとするならば、自分たちに自信もついてきたので嘗められることもないだろうから、曲作りに制約を課したりその狙いに言葉を尽くす必要もない

・「こんなのでいいんだっけ?」を投げ込んでみて、それが評価されたら嬉しいし、されなかったらこんなもんかで終わり

 あたりの情報を知ってから今一度曲と向き合うと、この曲が2曲目という大事な位置に配置された背景が見えて来るような気がする。この年数で培われた実力と、リスナーとの距離感を今一度再確認したうえで、ある程度の信頼と遊び心を持って配置された楽曲がこの、どこまでもキュートで小粋でちょっとだけ小憎らしい『恋する惑星』だとしたら、ちょっとだけこのバンドに対する愛しさ、湧きませんか? 僕は別にそんなでもないけど……

 ただこの曲をリードに据えて、ここまでポップなアレンジにした理由が、これまでで培ってきた地力と自らのバンドへの信頼からきたものだとしたら、その姿勢は間違いなくロックでカッコいいと思う。少なくとも、ちょっとだけ「なんだよこのチャラい曲は……」と彼らの変化に顔をしかめていた初対面時の自分が恥ずかしくなった。

 

 

 

【3/7】

 恋する惑星を聴きながら即席みそ汁を作っていたらお椀が倒れ、すべてがシンクと台拭きに吸われる

 なんやねんこの曲 

 

 

 

【3/10】

 無意味グラフbotを眺めていて、ふと頭に浮かんだものを作った

 

 

 で?

 

 

 

【3/18】

₍₍⁽⁽🌎₎₎⁾⁾

 見て!恋する惑星が空前のスケールで踊っているよ かわいいね

  🌎

 インターネットは全方位落とし穴だらけなので、恋する惑星は踊るのをやめてしまいました

 わきまえようぜ

 ラララ

 

 

 

【3/20】

 〆切が近づいていることに気付き、流石に焦り始める。

 僕の筆の進みがナメクジ以下なのも事実は事実だが、歩み寄りもくそもない恋する惑星さんサイドにも問題がある気がする。わたくしはなんとか近づこうとしているのに、お前は近づくどころか一向に遠ざかっていくばかり。まるで年々地球から離れゆく月のように

 ……宇宙? 惑星?

 

 

 

【3/22】

 ふと思いたって、UNISON SQUARE GARDENの楽曲の中で、歌詞に「惑星」のワードを用いた曲について考えてみる。

 

 2024年3月現在で歌詞に「惑星」の単語が用いられているのは以下の5曲。

・さよなら第九惑星

・ライドオンタイム

・さわれない歌

・弥生町ロンリープラネット

恋する惑星

 曲によって読み方は「わくせい」だったり「ほし」だったりする。

 

 挙げてみて率直に、思ったより少ないと感じた。「星」を使っている曲はもっとたくさんあるとは思うが、困ったら宇宙ワードを使っておけば何とかなると思っているのでは? と訝しんでしまうくらいに頻出する印象があったので、「惑星」なんてワードはそれこそ、1アルバムに2曲くらいで用いている様な印象だった。

 上記の5曲の歌詞を読み比べると、「さわれない歌」だけは明確に「惑星」を地球と捉えたような表現をしている。

 

 だから僕は今日も惑星(ほし)のどこか

 誰にも触れない歌を歌う

 近づき過ぎないで 丁度いい温度感であれ

 さわれない歌/UNISON SQUARE GARDEN

 

 世界一良い歌詞だなあ めっちゃ好き

 

 では他の4曲はどうなのかと言うと、どうも「惑星」というワードを人間の隠喩、もとい代名詞として用いているように感じる。
 例えば『さよなら第九惑星』は曲中に出てくる「君」を「九つ目の惑星」に置き換えると、その(そこに存在するかも分からない)人物に振り回されている「僕」の様子が浮かぶし、ライドオンタイムは元気

 その中でも特に分かりやすいのは「弥生町ロンリープラネット」だろう。

 

 僕らは孤独な惑星(ほし)だから

 お互いにきっとそうだから

 理由は上手く言えない方が

 大切の理由になれそうだ

 弥生町ロンリープラネット/UNISON SQUARE GARDEN

 

 これに関しては隠喩もくそもない。

 この曲に関してはアルバムのリリース当初、Patrick Vegeeを聴いた自分が曲の感想を述べるためのテキストライブをやった時の文章がふせったーにそのまま残っているので、これまでの本文とのアンマッチを起こさない程度に校正を行いつつ引用するが

 

・世の中の有形であるものはすべて輪郭を持ち、輪郭によって明確に分断されている。

・輪郭という壁を超えることが出来ないから、人は自分以外の他者との交流のために四肢を、五感を、そして言葉を用いるわけで、それを踏まえて考えると人間は本質的にはどこまでも孤独な生き物で、本当の意味で他者と一つになることは出来ない。

・生まれ落ちた時が一人なら死ぬ時も一人である人間は、結局どこまで深いところで繋がろうとずっと一人だと思うが、だからこそまばゆく見えるのが、けして届かない位置にある他者であり輪郭の外で起こる事象なのだろう。その極めて言語化しづらい無情感というか、虚しさ、そこに内包された愛しさのようなものを詰め込んだ曲

 

 おおよそこのようなことを書いていた。一生懸命だネ~

 世界、という抽象的な言葉で呼ばれる空間に、輪郭というある意味この世で最も強固な壁で括られた状態で生まれ落ち、そのままその輪郭を決して破ることなく死にゆく我々は、宇宙という広大な闇の中で漂い、瞬き、そして言葉なく朽ちる星とよく似ている。

 田淵氏は公式のブログでツアーの告知をする際、よく「なるべく近くの街に行くから、1人で見に来てくれ(意訳)」のようなことを書いているが、彼のそういう言葉や『弥生町ロンリープラネット』の歌詞を思うと、田淵氏は「人間はどこまで行ってもひとりきり」という価値観を、自分の根っこの深い部分に据えているように感じてしまう。自分以外の誰かについてあれこれ考えることと同じくらいに「ひとり」ということを大事にしているように思う。

『惑星』が歌詞の中で、どこまでも本質的に孤独な人間を示す単語だとして、『弥生町ロンリープラネット』が『恋する惑星』の一つ前のアルバムに収録されているのは、何となく運命めいたものを感じる。全然違っても軽率に紐付けていけ 運命は所詮後天性なので

 

 

 

【3/23】

 昨日に引き続き、弥生町ロンリープラネットと並行して恋する惑星のことを考えている。

 

 唐突な話で恐縮だが、ロッシュ限界という言葉をご存じだろうか。

 ja.wikipedia.org

 宇宙に興味を持った健全な中学生男子が、ダークマター、プロミネンス、シュワルツシルト半径あたりと並んで憧れる言葉として有名なこれは、簡単に言うと天体が他の天体に近づける限界距離のことである。これを超える、すなわち近づきすぎると、潮汐力によって近づいた天体は破壊されてしまう。地球の衛星である月も、地球のロッシュ限界を超えると破壊されてしまうという。もっとも、月は近づくどころか年々、地球から少しずつ遠ざかっているわけだが。

 上に挙げた『さわれない歌』のラスサビの歌詞にもある通り、UNISON SQUARE GARDENはファンとの距離感を大事にしているバンドである。ライブでのMCも最低限、煽りも無ければ手拍子をすることもない。観客との一体感で会場のボルテージを高めていく、なんてことに特にロマンを求めることなく、ステージとフロアで明確に線引をし、こっちは勝手にやるからそちらもご勝手にどうぞ、のスタンスが原則となっており、多くのファンもそれを心地よく感じている。

 

 僕らは孤独な惑星(ほし)だから

 お互いにきっとそうだから

 あんまり近づき過ぎたら

 どうしたって 惹かれ合ってしまう

 弥生町ロンリープラネット/UNISON SQUARE GARDEN

 

 近づきすぎると、壊れる。

 惑星と惑星の距離感も、人と人との関係性も、バンドとファンの関係性も同じである。それが分かっているからこそロックバンドは一定の距離感を死守し、神秘性を担保し続けている。月とは違って最近は徐々に近づいているような気がしなくもないが、これはバンドのスタンスの変化というよりは、世間の変化に合わせたもののように感じる。

 さておき、『惑星』の言葉が、人が他の全てと一定の距離感を保つ存在であることを示すために用いられているものだとして、それでも、だからこそ互いに惹かれ合ってしまうものだと語るのが『弥生町ロンリープラネット』だとしたら、『恋する惑星』は?

 

 

 

【3/24】

 おおよそ15年くらい前、かつて週刊少年ジャンプで連載されていた「こち亀」にて、セルフアレンジメントなる自己分析を両さんたちが行う回があった。

 漫画をそのまま貼るのは抵抗があるので、実際にこの「セルフアレンジメント」をやってみた方の記事を載せるが、要は自分を中心として自分を形成する・かかわりのあるものを並べていくことで、それらとの関係性を可視化するとともに、自分を客観的に見つめ直すことが出来るのだと言う。実際に「こち亀」で多趣味かつ交友関係の広い両さんが行った際は、用紙に描き切れないほどに関係性が広がっていた。

www.excite.co.jp

 このセルフアレンジメントにて、両さんの上司である大原部長は、配置した自身の趣味の中心に置かれた自分を視て「まるで太陽だ」と表現した。ただ他の三人の趣味の幅と人間関係が凄まじすぎて相対的に凡庸なものとなってしまい、両さんからは「部長のは工場の地図記号(現在は廃止)みたいだ」と揶揄われていたのをよく覚えている。

 

 いきなり何の話を、と思ったかもしれないが、『恋する惑星』にはこんな歌詞がある。

 

 数多あるうちの一個に過ぎない それも分かってますが

 さりとてスターダストじゃ困る まだ光っていられるかな

 恋する惑星/UNISON SQUARE GARDEN

 

 大原部長が趣味に囲まれる自分を「太陽」と表現したように、自分という中心をおいてその周りに好きなコンテンツを置いた図は、一つの恒星を中心とした惑星系のようにも見える。

 どこまでいっても一人ぼっちである人間は、茫漠な宇宙空間にて周回軌道上をさまよう惑星に似ている。そういう趣旨の話を上の方でしたが、見方を変えればあらゆるコンテンツや人間関係に囲まれる我々は、1人1人が無数の惑星に囲まれた恒星とも捉えられる。無数の関係性が絶えず蠢いているこの仮想の銀河系を、便宜上「世界」と呼んでいる、とも言える。

 僕にとってUNISON SQUARE GARDENという存在は自分の近くを回る惑星の一つではあるが、それは今現在の話であり、5年後、10年後にはどうなっているかは分からない。彼らを、ひいてはCatcher In The Spyを知った当初は「これが俺の生きる道」くらいの勢いで彼らの音楽を堪能し、自分を形成する核とさえ称していたような気もするが、今は自分にとっての生きる理由の一つ、くらいの位置においている。くらい、と言えるほど軽い感情ではないと思うが、少なくともUNISON SQUARE GARDENと同じくらいに何も考えることなく純粋に音楽を求められる存在は、彼らを知った当初よりは増えた。

 近年、UNISON SQUARE GARDENに限らず、ミュージシャンへのインタビューの中で、流行する音楽の消費サイクルの速さについての言及が増えたように思う。昨年のことを思い返してみても、その局所局所で流行った曲はいくつか思い当たるものの、2023年はこの曲の年だった、と言えるほど、ずば抜けた存在感を持った曲はなかなか思い当たらない。強いて言うなら「青のすみか」かな?

 今やボカコレ1回で数日間のうちに数千曲ものボーカロイド楽曲が投稿され、毎日のようにApple music公式のプレイリストは更新され、Xを覗けば50ツイートに1つくらい知らない曲が流れて来る時代。そんな中で明確な存在感を放ち続けるのは並大抵の所業ではない。これは、今年で結成20周年を迎えた大ベテランバンドであるUNISON SQUARE GARDENも例外ではない話である。

 この入れ替わりの激しい世界で20年、強固なファンベースを築きメンバーも変えることなく、コンスタントにアルバムをリリースしライブで全国を回り続けている彼らですら「数多あるうちの一個に過ぎない」のだ。今はまだ、ふとした瞬間に夜空を見上げた時に、一番に視界に入るほどにはきらめいているのかもしれないが、それがいつまでも続くとは限らない。ジジイになっても変わらず近所のライブハウスまで足を運んでいるのかもしれないし、来年金に困って手持ちのCDを全て売っているかもしれない。数年前のコロナ禍といい、本当に何があるのか分からないのだから。

 近づきすぎると惹かれ合ってしまい、適正な距離感が担保できずに神秘性を損なう。さりとて離れすぎると夜空に浮かぶ星の一つとして認識すらされない。曲作ってライブやって楽しいね、で万事上手くいくのであればそれで良いのだろうが、というかUNISON SQUARE GARDENはそれで割と上手くいっている数少ないバンドだとも思うが、水面下では本当にいろいろ考えているのだろう。

 

僕の周回軌道に意味なんかなくても

一緒に存在できるのなら 解析でもなんてもしてくれ

恋する惑星/UNISON SQUARE GARDEN

 

 この部分の歌詞も、初めて聴いた当初よりずいぶん弱気なものに聴こえないだろうか。

 壊れない程度の距離感は保つ。それはそれとして、まだまだ貴方の大事な存在でいたい。貴方の視界で光り輝く存在でありたい。その為だったら解析でもなんでもしてくれ。そういう、いじらしい意思表示が込められている曲だとしたら、この歴代でも上位のパリピ陽キャ・御用達ソングである恋する惑星さんにも、こんな一面があったなんて……と、彼の意外な一面にトキメキを覚えたり、しないだろうか。胸がキュンとしたり、しないだろうか。僕はしないけど

 キュンとはしないが、僕らが周りの人間関係や趣味嗜好との付き合い方で日々頭を抱えているように、ロックバンドも移り変わりゆく世間に、ファンとの距離感を保つために日々奮闘していることは、この曲に散りばめられたフレーズから何となく読み取れる。これをバンドの意思表示とも、何かに恋をする人間の心情にも当てはまるような言葉選びをし、違和感なく聴かせるソングライターの手腕に舌を巻く。

 

君と同じ世界に居たい

まだまだ光っていたいのだ

恋する惑星/UNISON SQUARE GARDEN

 

 好意的に捉えている何かとの距離感で懊悩することを「恋」だとすれば、恋する惑星とは、悩めるロックバンドであり、そのファンであり、周りの人間関係に悩みつつも一歩を踏み出そうとする人間であり、一歩踏み出した先で同じように悩んでいる人間であり、或いは田淵智也自身であり、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ””だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだ……俺、最初から分かってたジャン……お前のコト……

 よく分からないチャラい曲とか言ってごめんな……今日からお前が、俺の、1等星──────💛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【4/1】

eow.alc.co.jp

 universeは惑星じゃなくて銀河だってことくらい分かってるよ

 じゃあなんやねんこの曲 

 なんだったんだよ、おれのツイート