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UNISON SQUARE GARDEN、「神様」に当たり強くない?

 

 

 その率直な疑問のきっかけは「僕らのその先」という、最近のユニゾンではあまり見られない、5分越えの長尺バラードでのワンフレーズである。

 

僕らのその先

僕らのその先

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 哀愁、切なさ、ノスタルジー、そういった抒情的なエッセンスが詰め込まれた歌詞に、ゆったりと、しかし厚みのあるメロディラインが寄り添う名曲ではあるのだが、曲のエモーショナルなラストに向けて一段階グッと盛り上がる部分に

 

神様となら昨日話してきたけど

君と話してる方が200倍くらい楽しかったな

 

 ひどくね?

「神様」を自分に置き換えてみろよ 自分が陰でこんなこと言われていたら泣くだろ、シンプルに

 

 何がひどいって、この曲の歌詞において「神様」が繰り返し出ているのではなく、この部分でのみ、いきなり、ピンポイントで「お前と比べて話がつまんねえ」とディスられているのである。こんな唐突に他者を貶める形で褒められたって、引き合いに出された「君」だってどうしていいかわかんないだろ 困るよ

 なんかよく分かんねえけど甘酸っぺえな~~! と歌詞世界に浸っていた神様に、突如極低温の冷や水、いや液体窒素をバケツで浴びせるかのような、暴挙。あいにく天界の法律にはそこまで詳しくないが、おそらくは結構な大罪だろう。ベーシスト氏はそういうのを気にするような質とは思わないが、一応死後には気を付けたほうがいい。強めのビンタくらいは覚悟しておくべき

 

 しかしこの「僕らのその先」もだが、よくよく考えればユニゾンの歌詞に出てくる神様はどうにも不憫というか、ろくな目に合わないというか、「神」という大層なワードからは考えられないほどに威厳がないのが多いように思う。崇められない・奉られない・お願いされないの三拍子が揃っている。いきなり引っ張りだされたと思ったら強めの言葉で殴られるだけ。同じソングライターによって書かれた歌詞でも、まだ「人類」の方が扱いが良い気がする。

 というわけで今回は、今年なんと19周年(!)を迎える、東京・中野区発のハイパーご長寿ロックバンドUNISON SQUARE GARDENがこれまで生み出した数々の楽曲の中から、「神」「神様」もしくは「God」といった単語が使われているものだけを抽出して、あれこれツッコミを入れたりかわいそがったりする記事である。ソングライターが神に厳しいのなら他でもない俺様が神に優しくしてあげなきゃ、の一心で筆を取った次第だ。愛の座敷牢は純度の高い優しさで運営されているブログです

 

 前置きここまで 以下不敬罪

 

 

 

 というわけでまずは、歌詞の中に「神」を宿した、選ばれし崇高な楽曲の紹介をしよう。

 2023年7月現在、正式にリリースされているUNISON SQUARE GARDENの楽曲において、歌詞の中に「神」「神様」および「God」を含むものは全部で12曲存在する。それがこちら

 

 2月、白昼の流れ星と飛行機雲

 サンポサキマイライフ

 WINDOW開ける

 23:25

 Kid,I like quartet

 僕らのその先

 シグナルABC

 8月、昼中の流れ星と飛行機雲

 fake town baby

 春が来てぼくら

 ラディアルナイトチェイサー

 Micro Paradiso!

 

 一応「神経」など、「神」を含んだ他の熟語を含めるともう少しだけ増えるが、あくまで今回は神を神として扱っている楽曲に絞っている。

 並べてみて思ったが、順序次第ではそのまま対バンとかのセトリにしても問題なく盛り上げられそうな気がしてくる。ひとつのワードで抽出したにも関わらずこれである。楽曲の層が厚すぎる。特定のワードで抜き出した楽曲を用いて、架空のセットリストを作って遊ぶのもちょっと面白いかもしれない。

 普段から超火力のユニゾン楽曲に丹念に炙られ、焼け野原にされているヘヴィリスナーの皆々様の中には、これだけ高威力な楽曲陣が揃っているのだから別にこき下ろされたって仕方がないだろう、むしろ本望だと思うべきでは? といった、ハイレヴェルなドМの滲み出た感想を抱く方もいらっしゃるのかもしれない。気持ちは分かる。ただあくまでそれは人類の立場での感想である。今回はこころを鬼にして、神様の立場で不届きな歌詞をばっさばっさとさばいていきたい

 

 

今日が寒いのはきっと女神様が

悲しい喧嘩をしたから

 

「ばっさばっさとさばいていきたい」からいきなり判断に困るのがきちゃった

 

 というわけで1曲目、インディーズ2作目のミニアルバム「流星前夜」から2月、白昼の流れ星と飛行機雲

 

 

 おそらく全楽曲の中でも、ライブで披露される機会の恵まれなさで言えばトップクラスであろう。調べたら最後に披露されたのは2011年らしい。12年前。僕がまだユニゾンの「U」の字も知らなかった頃だ。

 改めて聴き直すと、当たり前だけど今とサウンドもボーカルも歌詞のテイストも全然違う。若い。ちなみにサブスク音源も無い。こういう曲が一番めんどくさいファンを産んでそうで、下手に言及するのがめっちゃ怖い。

「神様に当たり強くない?」というきっかけで考察を始めたのに、最初からちゃんと神様してる曲が来てしまうと調子狂うからやめてほしい。企画が倒れる。寒さを女神さまのせいにしている、と捉えられなくもない……いや苦しいか。認めちゃえ。こちら正当な神です。おめでとう!

 というわけでいきなりタイトルをひっくり返されてしまった。いやはや意外とユニゾンは神様をリスペクトしてるバンドだったのかもな~

 

 

全知全能神様も知ったもんか

付ける足あとが最良のアンサー

 

 と思ったらこれだよ。なにが最良のアンサーだ0点だよこの野郎

 

 というわけで2曲目、1stアルバム「UNISON SQUARE GARDEN」より、サンポサキマイライフ

 

サンポサキマイライフ

サンポサキマイライフ

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 初期の楽曲の中でもライブでも披露される機会の比較的多い定番曲であり、どこをきってもノリノリなビートを生ライブで聴いた日には問答無用で口角が成層圏を超えるが、それはそれとして不敬罪。とりあえず二歩下がれ

「神様」が含まれる曲の中では下の「WINDOW開ける」と並んで結構な古株の楽曲であり、よって「神」ソングの中ではだいぶ先輩ともいえるが、それでこの扱いである。「全知全能」という、まさに神か大谷翔平くらいにしか使わないであろう大層な肩書きが付けられているにも関わらず、その直後に「知ったもんか」で一刀両断される姿には涙を禁じ得ない。むやみやたらに上げるだけ上げて地底まで叩き落とすな。神だぞ

 何より「全知全能神様」より足あとが上だと語るその精神に開いた口が塞がらない思いである。あまりにも傲慢すぎる。足あとから無数にチューリップが生えるくらいしないと到底納得できない。

 ただまあこの曲は初期も初期、あの斎藤氏が観客を煽っていた時代のものである。まだまだ若気の至りで許せる範囲ではあろう。神様も神様で当時から嘗められ過ぎだろう。この時ちゃんとベーシストをシメずに醜態ばかりを晒しているから、のちのちの後輩神様もあんまりうだつが上がらないのではないか。責任が問われる。

 

 

神様の思し召しならおしまいおしまいさよならよ

 

 3曲目は上記サンポサキマイライフと同じく1st収録WINDOW開ける

 

WINDOW開ける

WINDOW開ける

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 楽曲の知名度に反して、ライブで披露される機会は比較的多い隠れ名曲である。いや別に隠れてはないか。あのCITSツアーでもセトリに組み込まれていたのだから。これから先、こういう妙にダサい命名をされた曲が出てくることはあるのかな

「思し召し」と、しっかり敬う語を付けて語られているあたり、サンポサキマイライフの神様よりは扱いがまだマシな気はする。ただまあ前2つの同じメロディに使われているフレーズが「終わりの鐘が鳴ったから」と「流行りモノが廃れてく」なあたり、どうも「ああはいはい」みたいなニュアンスに捉えられるような気がしないでもない。あーまた始まったわ、話し始めるとマジで長いんスよね〜神様、みたいな目で見られてそう。そう思うとこれまた不憫である。校長先生か?

 あとこの後に続くのが「響くもの全部持って来いよ 俺はそんなに厳しくないぞ」なのが、見方によっては神様を使って自分の器のデカさをアピールしているように捉えられるのも可哀想ポイントが高い。雑に引用されたかと思えば当て馬にされている。ちゃんと怒れ

 

 

望遠鏡からつながった あさきゆめみし神の力で

今握りしめて走り出せば 空も飛べるような年頃です

 

 お次は2nd album「JET CO.」から23:25

 

23:25

23:25

 

 楽曲単体の威力ではかのCatcher In The Spyにも引けを取らないハードパンチャー揃いのアルバムである「JET CO.」のトリを務める御大ロックナンバーであり、未だにわたくしのなかでは武道館ライブで披露された際の格好良さの印象が強い。こういう曲こそ「知る人ぞ知る」なのかもしれない。タイアップもMVもないし。

 なんだか前2曲よりはだいぶ壮大そうだが、「あさきゆめみし」は直訳すると「浅い夢を見ていた」らしいので、見方によってはバカにされてる感はある。浅い夢見んな。ラマヌジャンみたいな夢見ろ。そしてしれっと「神様」ではなく「神」と、さりげなく敬称を省かれている。もう泣いていいよ

 それにしてもこの「神」は何らかの力をふるっているらしいが、彼は具体的に何を司っている神様なのだろう。何かずっと前にTwitterで回帰線(23度26分)とのつながりを考察したツイートを見かけたような気がする(見つけられなかった)のだが、これがもしも的を射ていればこの神様は回帰線でも司っている、のかもしれない。だとすれば、広義では地理の神様と言えそう。道真の手下かな?

 

 

いつも理由なく神に背いて

 

 背くな

 

 というわけで5曲目は3rd album「Populus Populus」から会心のリードトラック、kid,I like quartet。ここにきて「神ソング」では初のタイアップソングである。初タイアップでシンプルに不敬罪。あまりに肝っ玉がデカすぎる

 

kid, I like quartet

kid, I like quartet

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 これまたライブの大事な部分で披露される、ストレートにカッコいい彼らを存分に味わえる見事なロックナンバーだが、もう何も語るまい。神様の不憫度で言えばトップクラスである。理由なく背反されるならたまったものではないだろう。ちなみにこれも呼び捨て。ここまでくるとダチなのかと疑ってしまう。もしかして余計なお世話か?

 一応言っておくと歌詞カードに載っている歌詞ではないので、たまたまそう聴こえるだけで非公式である、と主張することは出来なくもない。が、もとになっているのがおそらくカウンターアイデンティティ(旧名:神に背く/少し黙ってろ)なので疑う余地はほとんどない。神様には強く生きてほしい。

「背く」ってワードを使う以上、おそらく基本的な考え方として神様には「従う」というもの、というのはあるのだろう。それを踏まえた上で敢えて「神に背く」という表現を用いているというのは、ベーシスト氏が「神」という存在をどういうものとして捉えているのかのヒントに成り得るかもしれない。まあどう弁明したって敬意はないのは確かなので、有罪

 

 

神様となら昨日話してきたけど

君と話してる方が200倍くらい楽しかったな

 

 というわけで発端。上のkid,I like quartetと同期の僕らのその先である。

 

僕らのその先

僕らのその先

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 最初に書いたとおりであるが、あらためて本当にかわいそう。前後のつながりが特にないまま脈絡なく話題に出された挙句、遠回し、というほどでもないくらいに、雑な回りくどさで間接的にディスられている。「2億倍」とかそういうデカすぎてリアリティのない単位ではなくて、「200倍」という、まだギリギリ想像のつきそうな値なのも不憫さに拍車をかけている。南無

 これはポジティブな解釈としては「君」との話があまりに楽しすぎたが故に、勢い余って神様すらもバカにしてしまった、というのももしかするとあるかもしれないが、それでもやっぱり神様が不憫である。「僕」と一体何を話したんだろうね神様。頭良すぎて何言ってるか分かんないとかかな。そうだといいね。よくねえよ

 これといいkid,I like quartetといいカウンターアイデンティティといい、「Populus Populus」は全体的な傾向として神様への扱いがひどい。受験前とかに聴くとあんまりよくないかもしれない。おとなしくCatcher In The Spyとかにしとこう。

 

 

季節のプロパティは等間隔

それは神が作ったシチュエイション

大気圏に混ざったとしても結論はてんで動かない

 

 お次は7曲目、10th single「シュガーソングとビターステップ」からカップリング曲であるシグナルABC

 

シグナルABC

シグナルABC

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 未だに15周年のB面ツアー(FC公演)での、この曲が披露された時の盛り上がりを覚えている。さすがは彼ら最大のヒット作のカップリング。

 これはまともに神様してる神様な気がする。なんてったって季節作って管理してるんだぜ。さすがにこれは文句なしで神っぽい。大気圏を突破したとしても動かない、という表現も、宇宙が地球と同じ数理によって支配されていることを思うと、これまでの歌詞とは一線を画す絶対的な神の力を感じる。これよ、これこそが神 ただ、敬称は大気圏に行ったときにそのまま落としちゃったのかな? 

 ものすごく穿った見方をするなら「季節のプロパティは等間隔」という表現と、サビで繰り返し語られる「君が忘れていた桃源郷」というフレーズから、なんとなく「味気ない・つまらない」を想起させるワードチョイスに思えなくもない。流石にこじつけが過ぎるような気もするが、instant EGOISTやInvisible sensationの例からも分かるように、ユニゾンはわりと曲の冒頭で退屈や味気無さ、日常の鬱屈を匂わせつつ、後半でそれをスカッと解消するという歌詞の展開をやりがちなので、あながち間違ってもいない気もする。

 とはいえ「絶対的なもの」として描かれているのが明確な以上、今までの神と比べても格段に扱いが良いのは確実だろう。よかったね神様!

 

 

隣で君が黙ってる事に気づいてるのに傷つけてるよ

神様 いじわる

 

 バカたれ~~~次はお前が嫌な奴かよ

 

  ということで8曲目は6th album「Dr.izzy」収録の名バラード、8月、昼中の流れ星と飛行機雲。「2月~」とのつながりを考えれば神様への言及があるのは必然と言える。

 

 

 仮に「二次創作小説の題材にされがちなUNISON SQUARE GARDEN楽曲ランキング」みたいなのがあったとしたら、間違いなく3位以内には入りそうなくらいにピュアでスイートな一曲。これはもう捻りなく、田淵氏の甘酸っぱい部分が凝縮されているタイプの楽曲と言えよう。こういう曲を自分たちのバンドでも躊躇わずに出せるから、アニメや声優やVtuberへの曲提供が途切れないのかもしれない。信頼度が高すぎる。

 さておき歌詞。上の通り歌詞運びだけ見て「オイいじわるすんな神様」と問い詰めたくなる気持ちは分かる。分かるが、これは神様バカにし過ぎソングとして悪名高きあの「僕らのその先」と同タイプの歌詞運びだ。騙されてはいけない。これもまた神様は唐突に呼び出されていきなり「いじわる」呼ばわりされている。可哀想。

 甘酸っぱさに拍車をかけていく曲後半では神様に対する言及が一切ないことから見るに、1サビ前のこの「神様 いじわる」は本当に苦し紛れの神様への責任転嫁だと言わざるを得ない。2月~と比べるとだいぶ扱いが雑。君の幸せ公式を解く前に神様への懺悔をすべきです

 ただまあこの曲に関しては全体的にいじらしいから多めに見てあげたい気持ちもある

 

 

神様はいない 要らない いても 要らない

 

 ストレートに一番ひどいのきた

 

 7th album「MODE MOOD MODE」からfake town baby。この「神ソング」の中ではkid I like quartetに続いて2曲目のタイアップソングであり、何気に初のシングル曲でもある。おそらく次の「春が来てぼくら」と並び、ユニゾンの歌詞に出てくる神様の中でも特に有名なのがこの曲の神様だろう。MVもあるし。

 

 

 あの最高傑作と名高いMODE MOOD MODEの、ロック部分のエースを担当するバチバチにエネルギッシュな一曲。こんなに容赦のない炎が似合う曲はこの曲以外だと「天国と地獄」くらいだろう。聴くだけで汗が出るぜ

 アニメ主題歌の、よりにもよってサビの部分で、いないし仮に居ても要らないと断言されている。さすがにこれは同情せざるを得ない。今までで一番かわいそう。

 ただこれはタイアップ元である血界戦線という作品の性質上致し方ない部分があるので、これは田淵氏が作品に寄り添いまくった結果、めぐりめぐって神様にとばっちりが行ったパターンだと言える。ヘルサレムズ・ロットという不条理が跳梁跋扈する世界において、都合の良い神様はたしかに居ないし、例え居ても要らないのだ。

 だったら最初から引き合いに出さないでくれないかな、と僕が神なら思うが、ここで「神様」という万人が共通して「強い」「崇高」と感じるワードをあえてぶった切ることで、楽曲のインパクトを高めることに成功しているので、ある意味ではリスペクトと言えなくもない、気がしないでもないこともない

 しかしまあ、この曲をふと口ずさむときに毎回神様は要らないって言うのも、神様さんサイド的にはちょっとかわいそうなので、やっぱりサビでそんな言わなくてもいいじゃんとは思う もっと目立たないところでふんわりと言うべき

 

 

夢が叶う そんな運命が嘘だとしても

また違う色まぜて また違う景色を作ろう

神様が呆れる頃きっと 暖かな風が吹く

 

 さてさてお次は8th album「Patrick vegee」から春が来てぼくら

 

 

 前述の「fake town baby」と同じくこちらもアニメタイアップ曲である。タイアップで「神様」ワードを用いる機会が意外と多いという、本当にこれ以外で使うことの無い豆知識を知れた。このブログの存在自体そんな感じだから、なんだかシンパシーのようなものを感じる。

 とはいえこれは当たりが強い感じはそこまで無い。「呆れる」ということは、何かしら神様の思い通りにならなかったという事で、だったら本質的にはkid,I like quartetの神様とあんまり変わらない気もするが、それでも「神様」周りの歌詞の雰囲気がギスギスしていないのはポイントが高い。一体苦節何年なのかな、ようやく対等な感じになれたんだね、神様! もう威厳の欠片もねえよ

 それか自らが与えた運命に自らのカラーをどんどん付与して捻じ曲げていくその様に、呆れた、もう勝手にしてくれと匙を投げてしまったのかもしれない。神の世界に管轄のようなものがあるのなら、ユニゾンの担当になった神様は本当にしんどいだろうなと思った。総括、やっぱ不憫

 

 

突如舌を出す神様 question 集合知 てんで出鱈目

ふんぞり返るは神様question 科学的チャートも虚しい

一見陳腐な神様question アネクドート風刺 おあつらえ

尚も舌を出す神様question 僕らstep by stepが似合う

賛否篩 割く 神様question 不確定ヘイトまみれけり

 

 多い多い多い

 

 14th single「春が来てぼくら」から、カップリング曲ラディアルナイトチェイサー。

 

 

 かっちぇ~~~~

 曲者揃いのカップリング曲集団の中でも屈指の火力・破壊力・殺傷能力を誇り、2018年の彼らのロックンロール成分を大方担っていた核弾頭である。春が来てぼくらで油断していたリスナーを、問答無用で張り倒すエッジの聴いた演奏とメロディライン。この曲に狂わされた方も多かろう。Catcher In The Spyにぞっこんな身としては、このロックテイストの強いゴリラの存在はたまらないものがある。大好き。

 それはさておきなんだこの世界ふしぎ発見みたいな神様は。まずなんでこんなにたくさん出番があるんだ、Aメロがくるたびにしゃしゃり出やがって

 矢継ぎ早に質問を投げかける割にその質問の内容も大してよくわからず、当の本人は舌を出してふんぞり返っている。これまでで一番性格が悪い。サンポサキマイライフからここまでやたらと虐げられた恨みを、ここですべて発散させようとしているのか。今宵の神様は気合が違うぜ ただ惜しいね~カップリングなんだよね 謙虚!

 あらためて歌詞を見ると「お前がダサいだけ」をボーカルに言わせたいという作者のどうしようもない癖と、当時心配になるくらいのハイペースで曲を出していた彼の「もう出し尽くした しばし待たれよ」という心の叫びを上手い具合にマリアージュしたものになっているように思うが、それを接合する言葉の節々に「周りじゃなくて自分で決めろ」というメッセージが込められているような気がしないでもない。そうなると必然的に神に頼んな! みたいな話にならないか? 兎にも角にも歌詞を掴むのが難しい

 あとこれ神様が出したquestionなのか、神様に問うためのquestionなのかで解釈ががらりと変わってくるからわからない。一見陳腐なのが神様か質問なのか問題 不憫かどうかの解析は一生続く oh no~~

 

 

ほっといてmy God

その啓示は今じゃ通じない

 

しーですよ、my God

真理も渋滞しちゃしょうがない

 

 ここにきて初めての「God」表記。international

「My God」は本来「なんてこった」とか「さあ大変」とかそういう意味で捉えるべきで、ここで言う「神様」という意味ではあんまり出さないとは思うが、いろいろ思うところがあって一応出した。大体この歌詞運びなら絶対隣にいるもんなGod 距離感近すぎ

 

 というわけで「神ソング」ラストは上記ラディアルナイトチェイサーと同期、14th single「春が来てぼくら」からMicro Paradiso!

 

 

 ちなみにMicro Paradiso!の「!」は1個だから気を付けよう。僕はここ4年くらいずっと「Micro Paradiso‼」だと思ってた。まあエクスクラメーションマークなんて何個ついてても良いですからね。バカのミルクボーイ

 数あるカップリング曲の中でもド直球に問題児。故に大人気。ここまでハッチャケられるともう何も言えなくなる。楽しそうで何より。

 肝心の歌詞だがもういいでしょう。シンプルに「ほっとけ時代遅れ」言われてます。大して回りくどくも無い。ラディアルナイトチェイサーで少しは仕返しできたと思ったら即座に200倍くらいのパワーでコテンのパンにされてる。後半でも「静かにしろ」言われてるし。昔多少偉かったおじいちゃんくらいの扱い。だんだん神様がかわいく思えてきた。がんばれ

 あと何気に「春が来てぼくら」のシングルは、収録されている3曲の歌詞すべてに神様が含まれていることに気付いた。神含有率100%。すご 文字通りGod singleじゃん

 

 👆God single👆

 

 神秘的なジャケ写も相まってより神々しく思えてきて仕方ない。なんだか後光が差して見える。ただ肝心の収録曲が神様をリスペクトしているかと問われると微妙である。願掛け目的で聴くのはおすすめしない。

 

 

 

 終わりに

 

 というわけで、それぞれの神様を簡単にまとめたものがこちら。

 

 2月、白昼の流れ星と飛行機雲→威厳あり

 サンポサキマイライフ→不憫

 WINDOW開ける→やや不憫

 23:25→まあ不憫

 kid,I like quartet→不憫

 僕らのその先→不憫

 シグナルABC→威厳あり

 8月、昼中の流れ星と飛行機雲→ギリ不憫

 fake town baby→不憫

 春が来てぼくら→結局不憫

 ラディアルナイトチェイサー→性格が悪い

 Micro Paradiso!→かわいい

 

 この記事を書いていて思ったのは「不憫は不憫だけど思ったよりは……」である。さんざん言ったが、ぶっちゃけ思ったよりひどい扱いではなかった。「僕らのその先」のワンフレーズからここまで膨らませてこの結論に至るのもどうなんだと思わなくも無いが、あの曲の当たりが強すぎるだけである。あんなにやさしい曲なのに神様への当たりの強さだけ異常。頼むから200倍の根拠を持ってきてほしい

 あとこれだけ長いことバンドやってて、リリースされた楽曲に一度たりとも「神様お願い」みたいな歌詞が無いのにも驚いた。1個くらいあるだろと思ってたら、無かった。神様に一切媚びを売らずに、むしろ神と殴り合いながらここまで来てる。ストイックすぎるぜロロノア・ゾロかよ

 ちなみに今回対象としたのはあくまでUNISON SQUARE GARDENの楽曲だけで、田淵智也氏が他アーティストに提供・プロデュースした楽曲についてはノータッチである。ついでにQ-MHzもTHE KEBABSも同様。もしかしたら余所行きだとバチバチに神に媚び売ってるかもしれないね。それはそれで面白い。

 

 ということで、ここ数日ユニゾンの神様についてばかり考えていたのでくたびれました。目が覚めるまでそっとしていてほしい とくにオチも無い 終わり終わり この記事はご覧の神様の提供でお送りしました