愛の座敷牢

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理想の恋愛を歌った曲3選 他2編

 突然だが、かの有名な執筆ビンゴ対決について貴方はどれだけ知っているだろうか。

 

 

 知らない、という貴方のために一応説明しておこう。執筆ビンゴ対決とは、去年の暮れに暇を持て余した僕が5分で考えた遊戯である。

 遊び方はこうだ。まず、相手をしてくれる心優しい人間を探す。今回は僕の相互フォロワーであるナツさんが名乗りを上げてくださった。UNISON SQUARE GARDEN大好きお兄さんとしてTwitterで良い感じのツイートと、愛のあるブログを運営されている良い男である。声も良い。どこぞのバカによる「誰か俺と執筆ビンゴ対決をやろう」という得体のしれないツイートに快く食いついてくださったせいで、嗜癖を込めに込められたお題が25個も書かれたビンゴカードという名の呪物を突然DMで投げつけられた悲劇の人ともいえる。重ね重ね遊んでくださり本当にありがとうございます。

 次に、お互いに相手に書いてほしいお題を25個捻り出し、5×5マスのビンゴカードを作成する。今の世の中は便利なことに「ビンゴメーカー」なるものが存在する為、わざわざExcelPowerPointなんかを使って枠から作る必要もない。年がら年中スマホを見ているであろう愛の座敷牢読者の方々ならば、お題さえ捻出できれば10分もかからず作れるだろう。カップ麺でも食べながら作るといい。

 ビンゴカードに記入するお題だが、これは本当に何でもいい。相手が書きやすそうなものを挙げるもよし、絶対に自分では書けないものを挙げるもよし。強いて言うなら「この人にこれについて語ってほしい!」というものを挙げると、相手がビンゴを進めるたびに自分の欲求が満たされて素敵な感じになると思うので良いと思う。

 最後にこのビンゴカードを相手と交換して、相手に渡されたビンゴカードに書かれたお題に則ったものを書いていき、相手より先にビンゴをそろえたほうの勝利である。ただ、ここで勝つということは相手の嗜癖を満たすこと、即ち相手に尻尾を振ることを意味する。この執筆ビンゴ対決の恐ろしいところはここである。相手に勝つために、相手の思惑に乗らねばならないのだ。言わば地獄のケツ振りバトルである。硬派でプライド激高な俺様はマジで相手に尻を振りたくない。思うがままに書きたい。じゃあなんでこんなこと始めたんだ?

 たださすがに言い出しっぺの僕が相手のお題回答を待つのはどうなんだろうな、ということで、今回は僕が先陣を切らせて頂こうと思う。というわけでナツさんにいただいたビンゴカードがこちら。

 

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 ライブレポやディスクレビューはさておき、他は全体的に僕では絶対に思いつかないネタだらけだ。新鮮。ジャンプネタとかどうやって消化しようかな、と結構途方に暮れたが、これはこれでなかなかいい刺激である。「箱庭ロック・ショー」とだけ書かれたお題の威圧感よ。

 ただCatcher In The Spyネタを真ん中にしておいてくれてるの優しいなあと思いました。何書くか分からないけど今年も何か書くと思います。たぶん8月27日くらいに。

 貰ったのが1月頭なので2ヵ月くらい放置してしまっていたが、流石にそろそろ手を付けようかな、と思い経った。とりあえず、このビンゴカードを年内に埋めきってしまうことを目標にゆるく頑張ろうと思う。はじめてなので、答えやすそうなお題を見繕って、さっくりと3本書いてみた。3記事に分けようと思ったがなんかもう面倒くさかったので、3つ全部まとめて上げることにする。

 ここまで「対決」というちょっと物々しい単語を使って何だが、あくまでこれは文字書き同士の単なる「遊び」である。なのでそこまで互いに気負いもせず、書くもののネタに困った時に消化する一つの手段として使っているだけなので、そこは理解していただけると助かる。義務感で書いても楽しくないので。

 ちなみにこの「執筆ビンゴ対決」には別に著作権もクソもないので、もしも同じようなことをやりたい方がいらっしゃればそれはもうどうぞ勝手にやっていただきたい。というか多分僕が観測しきれてないだけで、すでに同じようなことやってる人はふつうにいると思う。

 前置きはここまで。以下本文

 

 

 

 1.理想の恋愛を歌った曲

 

  というわけで最初のお題は「理想の恋愛を歌った曲」である。

 このお題で肝要なのは「好きなラブソング」ではない、ということ。「曲として、或いはメロディが好きなラブソング」ではなく、あくまで「理想の恋愛」そのものを歌っている曲であること。つまり純粋な歌詞勝負である。

 このお題に対して回答する際に第一に考えねばならないのは、ここでいう理想の恋愛の定義とは何か、ということ。要はその曲に自己投影をするのか、それともその詞世界のストーリーが「理想」なのか。

 自己投影の場合、理想の恋愛なんて大塚愛の「さくらんぼ」とか、ファンキーモンキーベイビーズのそれっぽいやつとかで良いと思う。だってそりゃ恋愛をするなら成就した方がいいだろう。そら俺だって出来ることならあなたとあたしさくらんぼになりてえよ。してえよ。肩を抱き寄せたその時初めて愛の意味を知りてえよ。そういう意味ではあの辺の世代のポップなラブソングの中から、両想いくさいのを選べば万事解決する。

 ただ個人的な解釈としては、今回のお題はあくまで「理想の恋愛」を語る以上、そういう可哀そうな自己投影は投げ捨てても良いと思う。あなたとあたしさくらんぼにこれまでなれなかった、そしてこれから先もその見込みがない人間は、第三者視点から見て美しいラブソングを選ぶべきだ。いいですか諸君、美しいラブソングとは名画のようなものです。美しいラブソングに共感なんてものは要りません。どれだけその詞世界で美しい景色を美しく描写しているか、それが全てです。そこに自己という不純物を投影することは、創作物におけるメタ発言のようなうすら寒さを発生させます。分かったならその「前付き合っていた人を思い出して泣ける……」みたいなツイートを今すぐやめろ。

 というわけで厳選に厳選を重ねて3曲ピックアップしたのでそれらを紹介する。

 

 

 それでも/GRAPEVINE

 

それでも

それでも

  • provided courtesy of iTunes

 

「公園まで」「遠くの君へ」「棘に毒」「白日」とヤバいラブソングを量産している我らがGRAPEVINEの中でも、「理想の恋愛」を語っている曲を挙げるならぼくはこの「それでも」を選ぶ。

 理想の恋愛という曖昧なものは、それを考える自分にすら明確な「これ」という形が無い以上、明瞭に語り過ぎているのものよりも、詞世界にある程度の空白、つまりリスナー側の思考の余地を設けているものが望ましいというのが僕の意見である。だから固有名詞が出てきたり、あんまり生々しいことを語っているものよりかは、多少抽象的で、自分の中に一度取り込んだ上で独自に解釈が出来る自由があって、それでいてあまり直接的な性描写が無いものが良い。「セックス」とかそういう、何というか、うま味調味料みたいな単語が歌詞に入ってるのがあんまり得意ではないのだ。

 僕のこのめんどくさい要求を全て、それもハイレベルな位置で満たしているのがこの「それでも」である。まるで幻想文学でも読んでいるかのような歌詞のつかみどころの無さと、優しく語られる「あなた」との、第三者視点から見れば曖昧にしか思えない関係を回想する詞。ささやかに差し込まれる情景描写が心地いい。

 

川辺の街の工場の煙
たばこ屋の壁が 派手でしたね
時計壊れてしまった

 

それでも――GRAPEVINE

 

 優しく語りかけるような詞に、どこかもういない「あなた」に縋るような描写。なにより曲のはじめと終わりでそれぞれ出てくる「ふと空見ました 季節が変わる」の演出の憎さよ。最初は単なる回想の始まりであり、最後はどこか自身の前進のようにも思える。こんなにはかなげで美しい詞がGRAPEVINEの持ち味である美しい歌メロに載せられるのだからたまらない。わりと元気な曲が目立つ「Another sky」の中でも、一際やさしく輝く一曲である。めちゃくちゃ好き。

 

 

 Cinnaber/春野

 

 

 一昨年何回聴いたか分からないってくらい聴いていた春野のEPのラストトラック。前の「それでも」がバランス型だとするならば、これは完全に美しさ特化。

 実らなかった、或いは破綻してしまった恋愛における喪失感、無情感というものを、ここまで彩度高く描写できるものだろうかと感嘆する思いである。特にサビ前の「味の無い哀を抱いて目を瞑る」の部分。もうここ。ここだけでいい。ここだけでいいのに、サビがさらに畳みかけてくるのだ。

 

わたし恋をしてたみたい
幻にだってなりたい
嘘つく青 つくづく阿呆
交われないよ

 

Cinnaber――春野

 

 この世には「ラブソングに「恋」とか「愛」とか「好き」とか、そういう直接的な言葉を使うのはあまりよろしくないよね教」という、名前からして面倒くさい人間が多数所属してそうな宗教が存在するのだが(かくいう僕もその一人である)ここまで美しい描写を連ねた上での「恋」はもう、何も言えない。いろいろと謝りたくなる。

 彼の音楽そのものがそうであるように、春野の曲は本当に余計なことを語らない。余計なことを語らないが故に、こういう直接的な1文字が一際ぐっとくる。

 EP全編通して聴く中でもこの「Cinnabar」の立ち位置はやはりかなり重要であり、薄靄がかかったような儚げで捉えどころのない17分間が、やわらかながらもメロディアスなこの曲の存在によって薄く輪郭を為して、うっすらと、けれど確かに形あるものとして聴いたものの心に残るのだ。このEPが何度も繰り返し聴けてしまうのは、最後に置かれたこの曲の存在がとても大きい。そういう立ち位置の曲で、ここまで純な、終わってしまった恋に付いて語るのは本当に贅沢だと思う。

 

 

 トラベルプランナー/ハヌマーン

 

トラベルプランナー

トラベルプランナー

  • provided courtesy of iTunes

 

 何も言うことない。これ以上の「理想の恋愛」ある?

 恋愛とはあくまでどこまでも、例えるならばグラデーションのように漠然としているものであり、そこに明確な理由付けなどすることは無粋だという現在の僕の価値観を作ってくれた一曲である。もう本当に好き。歌詞全文載せてしまいたいくらいに好き。

 

笑った君の顔が好きで
漠然と恋をしてしまう
纏ってる雰囲気が好きで
漠然と恋をしてしまう
共通の話題が無い事に気付く前に

 

トラベルプランナー――ハヌマーン

 

 これまで自分が聴いてきた曲だけでなく、「恋愛」について語ったすべて創作物の中でも、この世の中において一番面倒な概念における解釈として一番しっくりくるものだと今でも思っているし、その「解釈」を軸に置いた詞の世界観も本当に美しい。

 創作物における恋愛は「実らない」あるいは「途中で破綻する」ことに美学が有ると信じている節があるので、萌芽した恋愛感情が実ることなくそもそも始まりすらしないこの曲の世界観は、「理想の恋愛」というお題に関して言うなら本当に模範的な解答だと思う。恋愛ってこういうもんだよ。本当に。

 僕が尊敬してやまない山田亮一が書いた歌詞である、恋愛を抜きにしても全編通して本当に隙の無い描写力。ハヌマーンの曲の中でも五指に入るくらいに大好きな曲である。もしまだ聴いたことない人はぜひ聴いてほしい。

 

 

 というわけで悩みに悩んで3曲選出したが、お題に回答するためにいろいろ思い当たる曲を聴き返す中で、この世ラブソング多すぎるんだよなと当たり前のことを改めて思った。日本人は恋愛ってコンテンツが大好きなんだな、というよりは、自分の思想や価値観を投影する歌詞を書く際には、恋愛という概念を媒介にした方が多くの人に伝わりやすいって事情もやっぱり多少はあるんだろう。

 他に挙げたかった曲としてTHE PINBALLSの「あなたが眠る惑星」やSyrup16gの「My song」にフィッシュライフの「むしかご」、あとは椿屋四重奏の「かたはらに」などがある。どれも「恋」または「愛」あるいはそれらのもっと根源的なものに対して美しく描き、歌っている曲ばかりである。機会があればぜひ聴いてほしい。

 

 

 

2.音楽に人生を救われた瞬間

 

 結論を言うとこれは「無い」が回答となる。その時その瞬間にある曲を聴いたことで自死を免れたとか、そういうドラマチックな展開は僕のこれまでの人生において存在はしない。もしそういう人生を歩んでたら今頃音楽でメシを食っていると思う。

 ただ、あの時この曲が無かったら首吊って死んでたかもしれないなあ、と後から思い返したことはある。前職でしんどかった時とか。代表的なのがUNISON SQUARE GARDENの「黄昏インザスパイ」やハヌマーンの「幸福のしっぽ」、そしてバズマザーズの「吃音症」である。バズマザーズに関しては「普通中毒」というアルバム全部と言った方が適切かもしれない。

 

普通中毒

普通中毒

Amazon

 

 朝6時出勤帰宅が午前1時過ぎという今では考えられない時間外労働地獄にすっかり心を滅入らせてしまい、ああもう無理だ、どうなってもいいや、と投げやりになりながら、対向車すらろくに通らない国道3号線の復路をおんぼろ軽自動車でえっちらおっちら走り抜けていく中で、何度も何度もリピートして聴いていたアルバムである。今でも「時代をくれ」や「サンダーボルト」のイントロを聴くと、あの時のことを思い出して気分が悪くなったりする。完全なる二次災害。

 今思えば車の中に据え付けてあるプレーヤーからCDを抜く気力すらなく、入れっぱなしにしていたこのアルバムをずっとリピートしていただけだったのだが、その中でも「吃音症」という曲がすごくその時の自分の心情にマッチしていてよく聴いていた。

 

眠れない俺の部屋の、幽かな明かりもそっと

誰かの景色を照らしたろうか

 

 

報われず散った想いも

果たせなかった約束も

靄でぼやけた面影も、

現在を愛したいって気持ちも

ふとあの日に戻りたいって願ってしまう気持ちも

云えないだけでその胸にちゃんとしまってあるんでしょう?

 

吃音症――バズマザーズ

 

 良すぎる、という語彙を投げ捨てた言葉で評してしまうのを躊躇ってしまうくらいに、丁寧に、丁寧に、世に毒された精神と肉体の澱を精製した詞である。音沙汰が無くなって随分と経つが、こと音楽に対しては本当に真摯な人だと思う。

 毎日色んな人に罵声を浴びせられ誰にも助けてもらえず、そもそも助けの出し方も誰に相談すればいいかもわからず、ご飯もろくに喉を通らなくなってそれでも身体を引きずって会社へ向かう、或いは帰宅する中で、「吃音症」が流れるたびに泣いていたような気がする。

 今となってはさっさと辞めればよかったのにとしか思わないし、そもそも僕も出来が悪すぎたよなあと思うところもあるが、甘ったれた学生上がりの僕にはだいぶ堪える環境であったのは確かだし、それを誰にも相談できなかったのも事実である。そういう僕がささやかな依り代として選んでいたのがこの「吃音症」を始めとするいくつかの音楽で、これらが無かったら自分がどうなっていたのかは分からない。そう思えば、今となっては音楽に人生を救われたと言えるのかもしれない。

 ただ、音楽はあくまで娯楽であって、直接的に人の命を救うようなものではない、聴いた人間が勝手にそう勘違いするだけ、という考えは、これから先にどれだけ好きなアーティストが、信条とする楽曲が登場しようと自分の中に有していたいと思う。でないと、自分の信奉するアーティストが自分の理想とかけ離れた挙動をしたときに、自分の芯がブレてしまい、何を信じればいいのか分からなくなる可能性があるからだ。救われるのなら勝手に勘違いしておくべきだと思う。

 

 

 

3.車で流れてたらモテそうなアルバム

 

 あ~~~問題児

 マジでぶっちゃけて言うと「こんなもん隣に乗せる人間によるだろ」と、そういって締めてしまいたい気持ちもあるが、せっかく頂いたお題なので真面目に考察していこうと思う。率直に菅田将暉とかに訊いた方がいいんじゃないすかね、とか思ったけど、菅田将暉なら車の中で「アンパンマンのマーチ」を流してても、「ミステリアス」と非常識を取り違えたバカ女どもから「神秘的」とか持て囃されて結局モテそうだからあいつはダメだ。俺様がレクチャーするしかねえ

 このお題に対する回答として正しいのは「女心をグッと掴むアルバム」ではなく、あくまで「モテそうな」という言葉の性質上、自分の価値を高めるようなアルバム、もっと言い換えるなら「車内で流しているだけで顔面偏差値が上がりそうなアルバム」だろうか。あってたまるかそんなドラえもんの道具みたいなアルバム

 ただ邦楽ロック界隈はドラえもんなのであるんですよねこれが。これさえ流していればもう助手席に乗るおなごの心臓ドッキュンなアルバムが。これを教えてしまうとせっかく秘密にしていたことで密かに上がっていた僕のモテ・ヒエラルキーが相対的に下がってしまうが、世の中の非モテ男子諸君を救うためにはこの手腕も、モテ・ヒエラルキーの下降も惜しまない所存である。今回厳選した3枚のアルバムを毎日車の中で流して、顔面を横浜流星みたいにしよう。

 

 

 MUSIC WARDROBE/FIVE NEW OLD

 

 

 あ~~~きちゃったね1枚目から模範解答が 聴いてるだけでモテそうなアーティストランキング第一位(当ブログ調べ)の座を一昨年くらいから射止め続けている最強のアーティストの最新アルバムがきちゃったね~~~

 フレデリック、アルカラ、女王蜂などなど、個性のかたまりのようなバンドを輩出し続けている神戸という魔境にてうまれた彼らもまた、前に挙げたバンドに負けず劣らずの個性を有するハイパーバンドである。神戸やべえよマジで。すごいのしかいない。

「車の中で流してモテそうなアルバム」というお題の特性上配慮しないといけない部分というものがある。個人的に挙げたい注意点は、あくまでBGMとしてさりげなく流せるものであること、音楽として尖り過ぎていないこと、あまりにムーディーな感じの音楽でないこと。この3つを満たしつつ適度にノることが出来て、国民の半数以上が「可」と評するであろうものが望ましい。これらの条件を全て満たしつつ、最近は話題性にも欠かない現代最強のモテ・アーティストがFIVE NEW OLDである。

 


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 特にこの「MUSIC WARDLOBE」というアルバムは今までの彼らのアルバムの中でも聴きやすく、そしてなんといってもオシャレ。軽やかに踊れるダンスミュージックから、THE・邦楽ロックといった雰囲気のポップソング、無機質な雰囲気のインストからなめらかなバラードまでお手の物、WARDLOBE(衣装ダンス)の名にふさわしく何もかもが揃った1枚である。もうモテ関係なく聴くべき。

 人間の価値は顔ではなく、オシャレかどうかだ。FIVE NEW OLDを聴くと、オシャレになる。FIVE NEW OLDを聴くと、モテる。モテたいお前が今第一にやることは、外見に気を使うことでも異性の心を理解することでもない。この「MUSIC WARDLOBE」を買って車内のCDプレーヤーで流すことだ。分かったらさっさと上のリンクをクリックして購入ページにすすめ。こんなブログ読んでる暇は無いぞ

 

 

 Living Room/Penthouse

 

 

 これももうモテ・アルバムですね。ジャケットから分かるね。モテ・オーラが隠し切れていない。

 Penthouse。バンドメンバー全員東大生の超高学歴「シティ・ソウル」バンドである。学歴に多少なりともコンプレックスがある方々はここで回れ右したくなるのはもう、僕もそうなので痛いほど理解できるのだが、痛みを伴わないモテ講座に意義は無いと言い聞かせてどうか歯を食いしばって耐えていただきたい。俺達は、東大生の作り出した音楽をも食い散らかしてモテ・レベルを向上させるのだ。

 僕にとってはこの人たちの曲は煌びやかすぎて聴いていると死にたくなってしまうのであまり言及したくないのだが、悔しいけれど楽曲のクオリティはものすごい。毎回毎回中毒性のある楽曲を出してくる。このアルバムは去年の11月にメジャーデビューを果たした際に出したデビューアルバムなのだが、この勢いで行くと今年どうなるか分からない。下手すると今とは比べ物にならないくらいに、とんでもなく流行るんじゃないか、と予想している。

 


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 男女混成のツインボーカルバンドなのだが、両人の声質の良さとパワーがすさまじく、喉だけで飯が食っていけそうな素質を感じるが、そのほかの楽器隊の方々も馬鹿みたいに演奏が上手い。東大生ってもしかしてみんなそうなのか?

「シティポップのキャッチ―さとソウルのパワフルさを兼ね備える」として自ら「シティ・ソウル」という独自ジャンルを提示するだけあって、どの曲もキャッチ―かつ力強い曲ばかり。歌詞がどれだけ相容れなくても曲がよすぎるので聴いてしまうという、これまでインターネットミームとして幾度となくネタにされ続けてきた「悔しい、でも感じちゃう……!!ビクンビクン」を現実で体験できるやべーバンドである。

 何よりあの櫻井翔が「ドハマり」しているとして話題性も抜群。つまりこれを聴いたらもう実質俺達は櫻井翔である。間違いなくモテる。聴こう。

 

 

 LENS/Kroi

 

 

 上2つが正統派モテならば、これはちょっとだけ「チャラさ」にステータスを割り振ったタイプのアルバムである。なぜかは知らないが、前時代からどうも清廉潔白・品行方正な男よりもちょっと悪い男がモテる傾向にある。この世の不条理の温床みたいな現象である。解せぬ。ここまでいろいろ書いててマジで今更なんだけど、多分音楽にこだわるより髪とか金色にしたり、ピアスとかしたりする方がモテる。

 なんかちょっと前からバンドサウンドにラップなんかのヒップホップな要素を入れてるバンドがめっちゃ流行っている印象があるが、Kroiはまさにそれ。ラップとチャキチャキしたギター、ファンキーなリズム隊が特徴的なバンドである。ただそれだけだったら他にもいくらでも競合相手がいるのだろうが、このバンドはちゃんと曲はキャッチ―で聴きやすく出来てるのがヤバい。

 


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 ド頭一発目から髭面の男がヌルっとしたラップ。これでいきなりギョッとなってしまうが、そこから間髪入れずイントロ、Aメロで畳みかけ、Bメロで落としてきちんとメロディアスなサビ。ちゃんと邦楽やってる。楽器隊も当たり前にカッコいい。だいぶ毛色は異なるが、リズムやギターの雰囲気、ガッツリラップを楽曲に組み込むスタイルと言い、ずっと前にRIP SLYMEとか好んで聴いていた人とかならわりとスッと受け入れられるんじゃないかな。個人的には、tempalayをもう少し大衆向けにしたらこんな感じになる気がする。

 ほどよいチャラさは形からではなくまずは雰囲気から。Kroiを聞くことで耳からチャラくなるのだ。チャラい男はモテる。カレーにカツを乗せるとウマいのと同じである。チャラい男は、モテる。Kroiを車内で流すとチャラくなる。つまりKroiを聴くと、モテる。完璧である。

 

 

 というわけで以上3つのアルバムを紹介した。なんとなく去年発売されたアルバムだけで揃えてみたが、参考になれば幸いである。

 どれもこれも余りあるモテ・エネルギーを秘めた、聴くだけでモテ・間違いなしのアルバムである。かくいう僕もこの三枚のアルバムを愛聴するようになってからはもう、全身から滴るモテ・オーラで車内がすごいことになっている。この車に乗り込んだが最後、まるでウツボカズラに呑み込まれた羽虫のように、圧倒的モテ・オーラの前にどろどろに蕩け伏すこと間違いない。令和4年、この国内において一番モテる車内を作ってしまった自信がある。これを読んだ諸君も急いでこの三枚のアルバムを買って、俺様の後に続け。

 

 この完全無欠の俺様に何が足りないってあとは出会いだけだ。

 ドラえも~~~~ん良い女と会えるアルバムを出してくれ~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「車で流れてたらモテそうなアルバム」おまけ

 

 Catcher In The Spy/UNISON SQUARE GARDEN

 

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